講演情報

[O12-P41]木星の南赤道縞は消失するのか?

*佐々木 智南1、池田 ゆきな1、花木 愛彩1、西 愛実1、上村 瑞樹1、上村 海空1、天目石 結1、秋丸 璃子1、??都 心陽1 (1. 鹿児島県立国分高等学校)

キーワード:

木星、南赤道縞、消失

私達は一昨年から木星の撮影をしながら、表面で起こる現象の研究を継続している。木星表面で目立つのは大赤斑と2本の赤道縞である。そのうち南赤道縞は3年~15年の周期で縞が消失することを知り、調査を始めた。口径200mm,焦点距離2032mmのシュミットカセグレン式反射望遠鏡にCMOSカメラを接続した。赤道儀はタカハシEM200TemmaPC-Jrを使用して惑星を追尾した。CMOSカメラには2倍バローレンズ,紫外線・赤外線カットフィルターを使用して撮影した。鏡筒に2倍バローレンズを介してカメラを接続し,CMOSカメラはノートPCに接続する。撮影は動画で行い,そのデータはHDDに保存する。パソコン上でソフトSharpCapを起動して撮影する。Exposureで1コマあたりのカメラの露出時間,Gainで画像の解像度を選択しつつ,惑星のピントを合わせる。撮影する動画については,撮影後の画像処理を考慮して,撮影時間35秒・静止画枚数2000枚に調整した。撮影後動画データをAutoStakkert!でスタックを行った。スタック処理後の画像は、RegiStax6を用いてシャープな惑星写真を完成させた。木星の大赤斑の長径や2本の赤道縞の幅計測には,惑星解析ソフトWINJUPOSを用いた。また過去の木星画像データについては、月惑星研究会のWebページに掲載されているデータを使用させていただいた。2024年~2025年に自分達で8日32枚160箇所の2本の赤道縞幅を計測し、月惑星研究会Webページデータから25日25枚125箇所の2本の赤道縞幅を計測した。また前回南赤道縞が消失した2009年~2010年では月惑星研究会Webページデータから,22日22枚110箇所の2本の赤道縞データを計測した。アストロアーツ(2010)によると3~15年の周期で南赤道縞が消失するとされ、前回の最近の消失は2010年5月初旬であった。我々は月惑星研究会のデータをもとに、南赤道縞の幅を計測した。消失前は約11,500kmだった南赤道縞の幅は消失直前で約9,500kmまで縮小した。直近の図2からは約10,500km~約9,500kmで変動していることが分かる。以上のことから南赤道縞の消失はその幅の変化から考察すると,まもなく起きるものと思われる。また我々は2本の赤道縞の色の変化を2009年~2010年と2024年~2025年で比較を行った。木星の画像データをステライメージで読み込み、RGB分解してマカリでグラフ化し比較を行った。2010年の南赤道縞の消失は色が全体的に淡化するわけではなく、縞の中央部が先に淡化して縞の両端が消失直前に短時間で消失する経過をたどった。2026年3月下旬現在、南赤道縞はその色に関しては中央部からの淡化はまだ認められない。 2010年5月の南赤道縞の消失から約16年経過し、南赤道縞の幅が変動しつつも縮小傾向にあることが分かった。またその色の変化については縞中央部の淡化がまだ発生しておらず、今後の変化を継続して観測したい。仮に南赤道縞が消失した際、その前後の木星表面の他の模様の変化にも注目したい。