講演情報

[O12-P48]「おはようさん」〜気持ちの良い目覚めをサポートする機器の作製〜

*南 優希奈1、*渡邊 真奈1、*酒井 道崇1 (1. 神奈川県立相模原弥栄高等学校)

キーワード:

気象、起床、照度

1.はじめに
起床時刻の気象観測条件から、その条件に合わせた光や音楽を機器から出したり、カーテンを動かし自然光を当てたりして、気持ちの良い目覚めをサポートする機器「おはようさん」の開発に取り組んでいる。

2.機器の仕組み
Wangほか(2025)は、起床前に20分間自然光を浴びると目覚めが良くなることを証明した。
八田(2018)は、起床前漸増光(人工照明を起床設定時刻の30分程度前から照明を微弱に点灯させ始め、徐々にその出力を増大させ、起床設定時刻に最大出力となるような夜明けを模擬した照明制御手法)が目覚めの質を向上すること、最大照度2500lxにおいて体温の安定化がみられることを示した。北堂(2005)は、色温度5000K以上の光は、体温の安定化や眠気の軽減に効果があるとしている。
観測した照度が2500lx未満ならば、起床30分前からLEDライトを徐々に上げていき起床時刻に2500lx,5000K以上に達するようにし、2500lx以上ならば、起床20分前からカーテンを開けることとした。
McFarlaneほか(2020)は、500Hz前後の周波数、BPM100〜120程度のテンポ、口ずさみやすいメロディが快適な目覚めに適していることを示した。この範囲のメロディを目覚まし音とする。

3.開発状況
現在は、模型による試作段階(図1)である。micro:bit element14(以下micro:bitと記す )とパソコンを無線接続し、動作を行う機器は有線接続した。利用者はmicro:bitから何時間後に起床するかを入力する。micro:bitの光センサーにより、起床時刻の30分前に照度を計測し、2500lx未満の場合は起床30分前からLEDライトを徐々に点灯させ、起床時刻に2500lxへ達するようにする。照度が2500lx以上の場合は、起床20分前からカーテンを開け、自然光を取り入れる仕組みとなっている(表1)。また、micro:bitにメロディのデフォルトで設定されている音楽の中で、「歓喜の歌」がBPMは約120,261Hz〜440Hzであり、McFarlaneほか(2020)が示したメロディに近いことから、試作機の目覚まし音に設定した。

4.今後の展望
機器で設定する照度・音楽で快適に起床ができるのかの実験を多く行うことができていない。より長期間の起床の検証をおこなっていきたい。また、目覚まし音の使用楽器によって目覚めの快適さに影響が出てくるかも検証していきたい。今回使用した気象条件は照度だけである。機器を完成させるとともに、他の気象条件からも気持ちの良い目覚めをサポートしていけるよう、改善していきたい。

5.参考文献
北堂 真子(2005)良質な睡眠のための環境づくり一就寝前のリラクゼーションと光の活用-. バイオメカニズム
学会誌,29,194-198.
Stuart J. McFarlane, Jair E. Garcia, Darri n S. Verhagen, G. Dyer (2020) Auditory C ountermeasures for Sleep Inertia: Exploring the Effect of Melody and Rhythm in a n Ecological Context. Clocks & Sleep, 2, 208-224.
Xiaorui Wang, Yangcheng Gu, Jihui Yuan, Da isuke Matsushita (2025) Natural light con trol to improve awakening quality.Build ing and Environment, 273, 2-20.
八田 和洋(2018)起床前増光がより良い目覚めと日中の活動をもたらす要件について. 京都工芸繊維大学 博士(学術)論文,甲第871号,107p.

付記 本研究は、理数探究基礎の授業の一環として、第14回高校・高専気象観測機器コンテストへエントリーし、一般社団法人WNI気象文化創造センターより支援を受け、行ったものです。