講演情報
[O12-P77]微小重力下でのメントスガイザーの挙動
*中村 蒼1、*宇田川 おりざ1、*水谷 羽矢人1、*北山 瑠一1 (1. 東京学芸大学附属高等学校)
キーワード:
微小重力、落下実験装置、ドラッグシールド式、メントスガイザー
1.背景と目的
近年、世界中で宇宙開発に向けた動きが活発化しており、微小重力下での物理および化学的な現象の解明は急務とされている。特に私たちの日常生活に密接に関わってくる液体の研究は、将来宇宙での生活が当たり前となった時のために欠かせないものとなっている。そこで本研究では、宇宙空間でメントスガイザーはどのような挙動を示すのかを校内落下実験装置により確かめるとともに宇宙空間での炭酸飲料のあり方について考察していくことを目的とした。
2.データおよび解析方法
微小重力環境は、先行研究で開発されていたドラッグシールド型落下実験装置 TGμ-DS2 を用いて得た。TGμ-DS2 は高校校舎 3 階から 1 階までの高さ約 10 m を利用して落下させ 、 内側カプセル内に 10-3~10-2 G 程度の微小重力環境を約 1.0 秒 実現する。内カプセルの中には、撮影用カメラと照明、加速度計が固定されており本実験ではメントスガイザーの実験装置を内カプセルに搭載し撮影した。また、地上でも同様に実験を行った。なお、本研究では先行研究より、特に反応が激しくなると指摘されていたコカコーラ・ゼロとメントスのグレープ味を用いて実験を行った。
3.結果
装置の機構が作動し、TGμ-DS2の落下約0.5秒前にメントスがコーラに投入された。落下時のTGμ-DS2内部の動画を確認したが、無重力状態の約1.0秒間では顕著な反応が確認できなかった。またこのときコーラの温度は18.1℃であり、コーラは235.6g、メントスは11.2gであった。
4.考察
地上実験ではメントスを入れて1.0秒以内に反応が始まっていたので1.0秒は反応が始まるまでの時間として十分であると考えられたが、微小重力下では1.0秒の間に顕著な反応は見られなかった。これよりメントスガイザーは重力に依存した現象であると考えられた。また、この理由としては、地上では投入したメントスが重力により一気に底まで沈むため、メントスと接触するコーラの総量が多く、また発生した泡が浮力によって即座に上昇しながら液体を上に押し上げるが、微小重力下ではメントスにかかる重力がほとんどないため、メントスは投入後コーラの中を漂い、また浮力も発生しないので発生した泡もその場に留まったためと考えられる。
5.今後の展望
本研究では、落下実験装置の持続時間約1.0秒間という短い時間での実験となった。また、1回の実験に時間がかかることから実験回数が少なく、コーラも開封から実験まで時間が経ってしまった。今後は重力以外の環境を限りなく地上に近づけた実験をしていきたい。
謝辞
本研究を行うにあたり、東京学芸大学附属高校 物理科教員の西村塁太先生、能代谷賢治先生に日々の活動の監督と指導をして頂きました。また、ドラッグシールド式落下実験装置 (TGμ-DS2) 開発費用につきましては、東京学芸大学附属高等学校卒業生の皆様ならびに有志の方々にご支援いただきました。ご支援いただきました方々に、心より感謝申し上げます。 最後に、本校の生徒の皆様には予備実験の準備や実施装置の製作にご協力いただきました。深く感謝いたします。なお、本研究ではメントスガイザーの先行研究に関する情報収集および文書校閲に LLM (ChatGPT、Gemini) を利用しました。
参考文献
1)中原颯太,實升 理沙子, 惠下 樹, 信太 結月. (2025) 高校内での微小重力実験:実験装置の改善、音の立体的な可視化等の実験. JASMAC-37, PS39. https://www.jasma.info/jasmac-37/wp-content/uploads/sites/18/2025/08/PS39.pdf
2)小林美佳, 松永紗季 (2012) 炭酸水が噴き出るメカニズムの研究. 平成24年度津山高校理数科課題研究報告書. https://drive.google.com/file/d/1f_StDBm4sF7tfwhUllabKkSvcnSBGJV7/view
3)金沢愛輝, 古川創. メントス・ガイザー発生の原因を探るpartII. 第54回自然科学観察コンクール. https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=206
近年、世界中で宇宙開発に向けた動きが活発化しており、微小重力下での物理および化学的な現象の解明は急務とされている。特に私たちの日常生活に密接に関わってくる液体の研究は、将来宇宙での生活が当たり前となった時のために欠かせないものとなっている。そこで本研究では、宇宙空間でメントスガイザーはどのような挙動を示すのかを校内落下実験装置により確かめるとともに宇宙空間での炭酸飲料のあり方について考察していくことを目的とした。
2.データおよび解析方法
微小重力環境は、先行研究で開発されていたドラッグシールド型落下実験装置 TGμ-DS2 を用いて得た。TGμ-DS2 は高校校舎 3 階から 1 階までの高さ約 10 m を利用して落下させ 、 内側カプセル内に 10-3~10-2 G 程度の微小重力環境を約 1.0 秒 実現する。内カプセルの中には、撮影用カメラと照明、加速度計が固定されており本実験ではメントスガイザーの実験装置を内カプセルに搭載し撮影した。また、地上でも同様に実験を行った。なお、本研究では先行研究より、特に反応が激しくなると指摘されていたコカコーラ・ゼロとメントスのグレープ味を用いて実験を行った。
3.結果
装置の機構が作動し、TGμ-DS2の落下約0.5秒前にメントスがコーラに投入された。落下時のTGμ-DS2内部の動画を確認したが、無重力状態の約1.0秒間では顕著な反応が確認できなかった。またこのときコーラの温度は18.1℃であり、コーラは235.6g、メントスは11.2gであった。
4.考察
地上実験ではメントスを入れて1.0秒以内に反応が始まっていたので1.0秒は反応が始まるまでの時間として十分であると考えられたが、微小重力下では1.0秒の間に顕著な反応は見られなかった。これよりメントスガイザーは重力に依存した現象であると考えられた。また、この理由としては、地上では投入したメントスが重力により一気に底まで沈むため、メントスと接触するコーラの総量が多く、また発生した泡が浮力によって即座に上昇しながら液体を上に押し上げるが、微小重力下ではメントスにかかる重力がほとんどないため、メントスは投入後コーラの中を漂い、また浮力も発生しないので発生した泡もその場に留まったためと考えられる。
5.今後の展望
本研究では、落下実験装置の持続時間約1.0秒間という短い時間での実験となった。また、1回の実験に時間がかかることから実験回数が少なく、コーラも開封から実験まで時間が経ってしまった。今後は重力以外の環境を限りなく地上に近づけた実験をしていきたい。
謝辞
本研究を行うにあたり、東京学芸大学附属高校 物理科教員の西村塁太先生、能代谷賢治先生に日々の活動の監督と指導をして頂きました。また、ドラッグシールド式落下実験装置 (TGμ-DS2) 開発費用につきましては、東京学芸大学附属高等学校卒業生の皆様ならびに有志の方々にご支援いただきました。ご支援いただきました方々に、心より感謝申し上げます。 最後に、本校の生徒の皆様には予備実験の準備や実施装置の製作にご協力いただきました。深く感謝いたします。なお、本研究ではメントスガイザーの先行研究に関する情報収集および文書校閲に LLM (ChatGPT、Gemini) を利用しました。
参考文献
1)中原颯太,實升 理沙子, 惠下 樹, 信太 結月. (2025) 高校内での微小重力実験:実験装置の改善、音の立体的な可視化等の実験. JASMAC-37, PS39. https://www.jasma.info/jasmac-37/wp-content/uploads/sites/18/2025/08/PS39.pdf
2)小林美佳, 松永紗季 (2012) 炭酸水が噴き出るメカニズムの研究. 平成24年度津山高校理数科課題研究報告書. https://drive.google.com/file/d/1f_StDBm4sF7tfwhUllabKkSvcnSBGJV7/view
3)金沢愛輝, 古川創. メントス・ガイザー発生の原因を探るpartII. 第54回自然科学観察コンクール. https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=206
