講演情報
[O12-P79]東京都に局地的大雨を降らせる積乱雲を発生させやすい風とは?
*川端 俊生1 (1. 東京都立科学技術高等学校)
キーワード:
気象、積乱雲
近年、東京都内で局地的豪雨による都市型災害が増加傾向にある。例えば2025年7月10日、東京都に記録的短時間大雨情報が発生されたときには、渋谷スクランブル交差点や市ヶ谷駅で冠水が発生するなど、交通に影響を及ぼした。そこで私は、このような東京都内に被害を起こした積乱雲という雲にフォーカスしこの雲がどのような過程で発生するのか、さらにどのような風が吹けば積乱雲が発生するのかに興味を持った。目的は東京都内で発生する積乱雲が発生しやすくなる風向きは何なのかを突き止めて、予測技術を向上し、都市型災害を減らすことである。仮説は、東京都全体で東から南向きに風が吹き込んで、積乱雲を発生させているとした。調査方法は、2019年から2025年にかけて、一時間に10ミリ以上を観測した降雨イベント(局地的大雨に明確な基準が存在しない)を抽出し、その中で積乱雲が局地的に発生しているもの(基準は近くに台風・前線が存在しないこと、その雨雲が関東で発生したこととする。)を収集し、その原因の雲を衛星画像で確認し、その雲が発生した時刻の1時間前のアメダスの風向きのデータを分析し、どのような風が吹いているのかを調査した。なお、この調査手法にて2019年から2025年にかけて24個の関東内で発生した積乱雲による東京都内の降雨イベントを抽出した。結果は東から南寄りの風(東、東南東、南東、南南東、南)の風を観測したのが東京観測所では約84%、練馬観測所では約54%、江戸川臨海観測所では約71%、羽田観測所では約87%、府中観測所では68%、八王子観測所では62%、青梅観測所では54%、小河内観測所では31%であった。その他の気になる事象では、練馬観測所では、静穏が17%を占めている。ほかには、小河内観測所では北西の風が17%、北が9%など、北向きの風も多く観測されている。考察、これらの結果から、東京、江戸川臨海、羽田観測所では、東から南寄りの風を観測した割合が大きく、海から空気が流入していることが考えられるものの、東京都の西の観測所では、東から南寄りの風の割合が大きくはなく、他の北東や西南西を観測していた。これらのことから、東京都23区内の東では東から南寄りの風が発生しやすい傾向はわかったものの、東京都全体で南から東寄りの風であるとした仮説は否定された。東京都23区よりも西の地域(小河内、青梅など)の積乱雲の発生に関しては、南風は起因しておらず、別の原因があるということが考えられる。今後の展望、本研究では積乱雲の発生には起因しないことが分かったため、その他の要素で精査をし、原因をつきとめて、積乱雲の予測精度向上を手助けしていきたい。参考文献は、「ウェザーニュースプロ」、「日本気象協会、過去の天気、衛星画像」、「日本気象協会、過去の天気、アメダス」 謝辞、本研究の調査手法の確認に気象庁広報室 松岡様にご支援いただきました。この場で御礼申し上げます。
