講演情報

[O12-P98]塑性指数からみる地すべりについて

*青木 優奈1、*金澤 佳吾1、*小前 彩夏1、*西村 梨沙1、*松本 幸太郎1、*村上 諒1 (1. 兵庫県立加古川東高等学校)

キーワード:

スメクタイト、塑性指数

[背景]
異常気象の多い昨今、特に急峻な山と川の多い日本では、降水、土砂、その他さまざまな要因が組み合わさって起きる地すべりが発生しやすい。また、最近注目されている物質としてスメクタイトという粘土鉱物がある。スメクタイトは膨潤性に富む粘土鉱物のことで、私たちはこの物質が地すべりの発生しやすさにかかわっているのではないかと考えた。

[実験1] 実験方法の妥当性の確認
実際に工事現場などで利用されている塑性試験の簡易版を作成した。これがどの程度試験として妥当であるかを確認するために、純スメクタイトに簡易版塑性試験をかけて塑性指数を測定し、実際の値と照らし合わせる。実際の塑性指数の値の範囲内に収まっていたら簡易版試験は妥当であると判断する。以下簡易試験の方法を詳述する。

 Ⅰ 簡易版液性限界試験
シャーレに425マイクロメートルのふるいにかけた試料と水を加え、よく混ぜる。深さ1センチメートル、幅1.5センチメートルの溝をつけ、高さ10センチメートルの高さから25回自由落下させる。溝が埋まったときの試料に対する水の質量比を液性限界(LL)とする。

 Ⅱ 簡易版塑性限界試験
シャーレに425マイクロメートルのふるいにかけた試料と水を加え、よく混ぜる。試料がまとまってきたら、幅5ミリメートル、長さ5センチメートルの棒状から徐々に伸ばし、幅が3ミリメートルになって割れやひびがちょうど生じないときの試料に対する水の質量比を塑性限界(PL)とする。

また、塑性限界と液性限界の差から塑性指数(PI)を算出する。

測定結果
スメクタイトのPIは780をとった。
この値は先行研究で求められていたスメクタイトのPIと齟齬がなかったため、この測定方法は妥当であると判断し、これ以降の実験ではこの測定方法を活用した。

[実験2] 実際の土での測定
実験1で確認した方法を用いて実際の土で実験を行った。実験を行った土は本校校庭、三木市吉川町と六甲山で実際に地すべりが発生した地域、六甲山で地すべりの発生事例のない地域の4地点の土で測定を行った。

測定結果2
六甲山の地すべり発生地域で採取した試料は19.4という値をとった。
六甲山の地すべりなし地域で採取した試料は、①は測定不能、②は31.8、③は測定不能、④は測定不能という値をとった。
三木市吉川町の地すべり発生地域で採取した試料は、①は23.6、②は43.8、③は20.4、④は17.8という値をとった。
本校校庭の真砂土は測定不能であった。
試料に水を加えたときに、水がしみだしてしまうなど、うまくまとまらなかった場合には、試料のPIは値が小さすぎて測定出来なかったと判断し、本実験においては測定不能と表す。

[考察]
地すべり発生地域で採取したすべての資料において、明確なPIの値が測定された。この二つの地点は粘土質の層をもち、その層が地すべりにおける不透層となると予想される。

[結論]
粘土質の土の層は地すべりにおける不透層になることで地すべりの発生に寄与している可能性がある。PIが高い土地ほど地すべりが起こりやすいと考えられる。