講演情報
[PPS01-P05]Evaluation of the potential for passive radio sounding of icy moons based on radar equation and ray tracing studies
*川上 歩大1、笠羽 康正1、熊本 篤志1、土屋 史紀1 (1.東北大学理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター)
キーワード:
パッシブレーダー、氷衛星、木星電波、レーダー方程式、レイトレーシング
Passive radarは、探査機が自ら電波を送信して目的物からの反射を観測するActive radarと異なり、自然電波源から放出される電波の反射を観測する手法である。送信波として地球のオーロラ電波であるAKR(数10-100kHz)や木星のオーロラ電波(数百kHz-数十MHz)、太陽電波バースト(数百kHz-数十MHz)など、自然電波源を用いることによって、装置の小型化、軽量化、省電力化に寄与する。また、activeでは送信しにくい長波長の電波を用いることができるため、より電波強度の減衰が小さく、より深い地下探査が潜在的に可能となる。また、送信と受信の場所が異なるため、多様な反射角で電波を観測することができ、反射率の反射角依存性から誘電率を推定できる可能性もある。木星・氷衛星探査機JUICEに我々が搭載するRPWI(Radio and Plasma Wave Investigation)では、ガニメデなど氷衛星の表層・浅地下調査のためにPassive radar観測が計画されている。また、将来の氷巨大惑星探査や氷衛星着陸探査におけるオーロラ電波を用いた表層・地下探査なども検討されている。
本研究では、JUICEの氷衛星flybysやGanymede周回軌道におけるRPWIによるPassive radar観測のfeasibilityを確立するため、多様な距離、反射角で受信されうる衛星表面からの木星オーロラ電波の反射波強度の見積もりを行っている。手法としては、Radar方程式とRay Tracingの2つを併用して行う。
点源からの電波放射におけるRadar方程式は一般的に知られている。遠方に位置する電波源からの平面波を用いたPassive radarでは、送信波が点源から球状に拡散する効果がないため、入射波の強度は観測高度に依存しない。反射波の強度は完全平面・鏡面反射であれば入射波と同様だが、実際には表面での散乱および対象天体の曲率の影響で高度に従って減衰する。このため通常のRadar方程式をPassive radar観測用に改定を要する [Schroeder et al. 2016]ため、現在この評価を進めている。
Radar方程式の結果検証のため、平行してRay tracingによる評価を進めている。想定する観測周波数は1-数MHzで、ガニメデ電離圏のプラズマ周波数より十分に大きく、我々が進めてきたOccultation評価 [e.g. Yasuda et al., 2025] とは異なり電離圏での屈折は含めていない。軌道高度100、200、500、1000 kmにおいて、地殻を完全反射・岩石(ε=8)・氷(ε=3)球とした場合の反射電波強度をsub Jovian angle(反射角と関連)で評価する。この際、TE、TMモードそれぞれで評価し、偏波に対する影響も評価する。これらの結果を想定される木星電波強度およびJUICE RPWIの受信感度と比較し、Passive radarによる観測feasibilityを評価中である。Radar方程式との比較のため、表面散乱の影響も加えていく予定である。
これらの結果を、月観測衛星Kaguya LRSで得られている地球オーロラ電波(AKR)の月面反射率と比較し、その妥当性の確認を行う予定である。JUICEは2024年8月の月flyby時に高度>1000kmでAKRを受信しており、この軌道で月面反射波が受信されえたものかどうかの評価も合わせて行う。
本研究では、JUICEの氷衛星flybysやGanymede周回軌道におけるRPWIによるPassive radar観測のfeasibilityを確立するため、多様な距離、反射角で受信されうる衛星表面からの木星オーロラ電波の反射波強度の見積もりを行っている。手法としては、Radar方程式とRay Tracingの2つを併用して行う。
点源からの電波放射におけるRadar方程式は一般的に知られている。遠方に位置する電波源からの平面波を用いたPassive radarでは、送信波が点源から球状に拡散する効果がないため、入射波の強度は観測高度に依存しない。反射波の強度は完全平面・鏡面反射であれば入射波と同様だが、実際には表面での散乱および対象天体の曲率の影響で高度に従って減衰する。このため通常のRadar方程式をPassive radar観測用に改定を要する [Schroeder et al. 2016]ため、現在この評価を進めている。
Radar方程式の結果検証のため、平行してRay tracingによる評価を進めている。想定する観測周波数は1-数MHzで、ガニメデ電離圏のプラズマ周波数より十分に大きく、我々が進めてきたOccultation評価 [e.g. Yasuda et al., 2025] とは異なり電離圏での屈折は含めていない。軌道高度100、200、500、1000 kmにおいて、地殻を完全反射・岩石(ε=8)・氷(ε=3)球とした場合の反射電波強度をsub Jovian angle(反射角と関連)で評価する。この際、TE、TMモードそれぞれで評価し、偏波に対する影響も評価する。これらの結果を想定される木星電波強度およびJUICE RPWIの受信感度と比較し、Passive radarによる観測feasibilityを評価中である。Radar方程式との比較のため、表面散乱の影響も加えていく予定である。
これらの結果を、月観測衛星Kaguya LRSで得られている地球オーロラ電波(AKR)の月面反射率と比較し、その妥当性の確認を行う予定である。JUICEは2024年8月の月flyby時に高度>1000kmでAKRを受信しており、この軌道で月面反射波が受信されえたものかどうかの評価も合わせて行う。
