講演情報
[PPS01-P19]土星リングのプロペラ構造に関するグローバルN体計算
*多門 瞭1、大槻 圭史1 (1.神戸大学大学院理学研究科)
キーワード:
土星、リング
太陽系の外惑星はすべてその周りに小さな粒子から作られるリングを持っている。加えて現在では4つの小惑星についてもリングを持っていることが知られている。これらのリングの形成過程や進化を理解することはその母天体の形成過程や進化を理解することにつながる。本研究ではリングの形成過程・進化に対する制約を与えうるものとしてリング中に見られる構造に着目した。
土星リング中に存在する小衛星はリングに対してその重力による摂動を与える。その摂動によりリングにはリング全体、または局所的に構造が見られる。例えば、パンやダフニスのように大きい質量をもつ小衛星はエンケの間隙やキーラーの間隙として知られるリングの全周に及ぶ溝構造を形成する。それに対して、より小さい質量の小衛星の場合には、その摂動の影響が小さいためにプロペラ構造を呼ばれる局所構造が形成される[1]。このような構造は観測に先立ち理論的に予測されており、その後、探査機カッシーニによる観測によって実際に発見された[2, 3]。プロペラ構造はリング粒子より大きい小衛星によって形成されるため[4, 5]、プロペラ構造を作るこれら小衛星のサイズ分布や軌道分布を明らかにすることで、小衛星自身、ひいてはリングの形成過程、進化に対する制約を与えられる可能性がある。
また近年、リング全周に及ぶ溝構造について、粒子間の相互重力と衝突を考慮したグローバル計算が行われた[6, 7]。一方、プロペラ構造に関しては従来のシミュレーションでは局所計算が用いられてきた。局所計算では小衛星近傍の詳細な構造について調べることが可能であるが、その一方でリング全体の進化や溝構造のようなリング全体に及ぶ構造からの連続的な変化を調べることが難しい。
本研究では、[6, 7]と同様の手法を用いて小衛星の質量を連続的に変化させ、その時にリングに作られる構造がどのように変化するかを調査した。粒子数は最大でN≈3×106を用いており、惑星質量をMp、小衛星質量をmsとし、質量比ms/Mpを10-5から10-8まで変化させた。
その結果、質量比とともにリング全体に及ぶ溝構造から次第に溝がリング全周に及ばなくなり、プロペラ構造へと変化、さらに質量比が小さくなると構造が消失していく様子を確認することができた。またリング粒子の軌道長半径と方位角方向に平均をとった光学的厚さの関係から溝構造およびプロペラ構造の幅は小衛星のヒル半径でよく規格化できることがわかった。
土星リング中に存在する小衛星はリングに対してその重力による摂動を与える。その摂動によりリングにはリング全体、または局所的に構造が見られる。例えば、パンやダフニスのように大きい質量をもつ小衛星はエンケの間隙やキーラーの間隙として知られるリングの全周に及ぶ溝構造を形成する。それに対して、より小さい質量の小衛星の場合には、その摂動の影響が小さいためにプロペラ構造を呼ばれる局所構造が形成される[1]。このような構造は観測に先立ち理論的に予測されており、その後、探査機カッシーニによる観測によって実際に発見された[2, 3]。プロペラ構造はリング粒子より大きい小衛星によって形成されるため[4, 5]、プロペラ構造を作るこれら小衛星のサイズ分布や軌道分布を明らかにすることで、小衛星自身、ひいてはリングの形成過程、進化に対する制約を与えられる可能性がある。
また近年、リング全周に及ぶ溝構造について、粒子間の相互重力と衝突を考慮したグローバル計算が行われた[6, 7]。一方、プロペラ構造に関しては従来のシミュレーションでは局所計算が用いられてきた。局所計算では小衛星近傍の詳細な構造について調べることが可能であるが、その一方でリング全体の進化や溝構造のようなリング全体に及ぶ構造からの連続的な変化を調べることが難しい。
本研究では、[6, 7]と同様の手法を用いて小衛星の質量を連続的に変化させ、その時にリングに作られる構造がどのように変化するかを調査した。粒子数は最大でN≈3×106を用いており、惑星質量をMp、小衛星質量をmsとし、質量比ms/Mpを10-5から10-8まで変化させた。
その結果、質量比とともにリング全体に及ぶ溝構造から次第に溝がリング全周に及ばなくなり、プロペラ構造へと変化、さらに質量比が小さくなると構造が消失していく様子を確認することができた。またリング粒子の軌道長半径と方位角方向に平均をとった光学的厚さの関係から溝構造およびプロペラ構造の幅は小衛星のヒル半径でよく規格化できることがわかった。
