講演情報

[PPS03-P04]せいめい望遠鏡を⽤いた3⾊同時測光観測によるはやぶさ 2#ターゲット⼩惑星 “Torifune” の表⾯カラー特性

*土井 知也、高木 聖子1、関口 朋彦2、黒田 大介3、浦川 聖太郎3、紅山 仁4,5、石黒 正晃6、ぎいむ じゅよん7、千秋 博紀8 (1.北海道大学大学院理学研究院、2.北海道教育大学、3.日本スペースガード協会、4.東京大学、5.コートダジュール天文台、6.ソウル大学、7.ルレア工科大学、8.千葉工業大学)

キーワード:

小惑星、地球接近小惑星、プラネタリー・ディフェンス、はやぶさ2#、地上観測、測光観測

NEA Torifuneは、はやぶさ2#ミッション(JAXA)の次なるターゲットである。はやぶさ2#では、このNEAの超近傍~1 kmを相対速度~5 km/sで高速フライバイする。このフライバイ時の観測を成功させるためには、はやぶさ2に搭載されているカメラを適切に設定する必要があり、Torifuneの表面カラーの情報が不可欠である。また、小惑星はそれぞれ独自の周期で自転しており、各自転位相でのカラー情報を取得し、表面が均一なのか不均一なのかを事前に明らかにしておく必要がある。

 岡山天文台のせいめい望遠鏡は、京都大学が所有し国立天文台が共同利用で公開している。18枚の複数鏡を合わせた直径は3.8 mであり、東アジア最大の光学望遠鏡の集光力は、小さく暗い小惑星の観測に最適である。搭載されている可視光3色同時撮像分光装置TriCCSを用いて、3色同時測光観測を行い、各自転位相でのカラーを高時間分解能、高測光精度で取得した。

 複数夜の観測データを先行研究で明らかになっている自転周期で折りたたみ、マルチカラーライトカーブを描いた。色指数はS-typeに典型的な値を示し、各自転位相において大きな変動は検出されなかった。そのため、全面的に均一な表面カラー特性を持つと結論づけた。色指数から導出できる反射スペクトルの形状はS-typeとQ-typeの中間であるSq-typeを示し、S-typeの中でも中程度の宇宙風化を受けた表面カラー特性であると結論づけた。また、各位相角でのSpectral slopeはS-typeのPhase reddeningの傾向を示し、特に低位相角のカラーデータはフライバイ観測にとって重要であり、Torifuneのカラー特性について報告する。