講演情報
[PPS03-P15]Comet Interceptor の探査対象彗星選定に向けた長周期彗星の光度曲線予測:彗星氷の組成に対する依存性について
*岸 真瞳1、杉田 精司1、河北 秀世2 (1.東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻、2.京都産業大学宇宙物理・気象学科)
キーワード:
彗星
Comet Interceptor(CI)は、長周期彗星を目標とし彗星活動が盛んな1AU程度でのフライバイ観測を行う探査機である。長周期彗星は太陽の熱による昇華をあまり経験しておらず、揮発性物質が残存し非常に始原的な組成情報を保持していると推定される。しかし、長周期彗星は、その軌道が未知であることがほとんどであるため、望遠鏡で発見した後に探査機を製作、打ち上げるのでは間に合わないという問題がある。この問題を解決するために、CIは目標選定前にあらかじめ探査機を打ち上げ、ラグランジュ点近傍のパーキング軌道に待機させておき、地上望遠鏡による観測から探査に適した長周期彗星が見つかり次第フライバイ軌道に遷移させて近傍観測を行うというアプローチをとる(Snodgrass & Jones, 2019) 。
その一方で、CIの探査対象彗星を選ぶため、現在ベラ・ルービン望遠鏡等の望遠鏡を用いて遠方にある彗星の全天サーベイ観測が行われている。2000年から2024年までの観測では年間平均3.5個のCIの目標となる軌道条件を満たす長周期彗星が見つかっている(Sánchez + 2024)。CIの運用上、地上望遠鏡を用いて日心距離5―10auまでの遠方で彗星を発見・選定する必要がある。しかし、この日心距離では典型的な彗星は光量が暗く各種波長での分光観測による組成同定が困難である。そのため彗星の光度変化に基づいて近日点付近(~1au)での活動を予測し、目標を選定することが求められる(Ivanova et al., 2025)。
これまでの観測からは、彗星の光度変化率について興味深いことがわかっている。10au程度の遠方において彗星活動が高い彗星は、10auから1auにかけての増光率が小さい一方、10auでの彗星活動度が低い彗星は10auから1auに接近する際の増光率は高く、彗星活動の大きな増加が見られる傾向にある。(Lacerda et al., 2025)
また、電波スペクトル観測と可視測光観測との比較から日心距離に対する増光率の小さい彗星ほどCOやCO2などの揮発性物質を多く含む一方で、増光率の大きい彗星はH2Oが卓越した組成である傾向があるとの指摘がなされている (Biver et al., 1998, 2002) 。
しかし、具体的にどのような氷組成の彗星がどのような増光率になるかを定量的に評価した事例はない。そのため、増光率変化の観測から彗星の組成情報がどこまで正確に推定できるかは不明である。この問題を解決するため、本研究では組成比により彗星のライトカーブ進化がどのように影響を受けるかを以下の光度変化モデルを用いて計算を行った。
本研究では長周期彗星のH2O, CO, CO2昇華による遠方での光度変化を計算するモデルをMeech et al. (2017) の手法を用いて開発した。この光度モデルを用いて、長周期彗星のH2O, CO, CO2氷昇華に伴う光度変化を日心距離の関数として求めた。
これを元にH2O, CO, CO2の比率を変化させモデル計算を行った結果、H2Oに対してCO, CO2の比率がライトカーブの変化特性を大きく決めていることが明確となった。
その一方で、CIの探査対象彗星を選ぶため、現在ベラ・ルービン望遠鏡等の望遠鏡を用いて遠方にある彗星の全天サーベイ観測が行われている。2000年から2024年までの観測では年間平均3.5個のCIの目標となる軌道条件を満たす長周期彗星が見つかっている(Sánchez + 2024)。CIの運用上、地上望遠鏡を用いて日心距離5―10auまでの遠方で彗星を発見・選定する必要がある。しかし、この日心距離では典型的な彗星は光量が暗く各種波長での分光観測による組成同定が困難である。そのため彗星の光度変化に基づいて近日点付近(~1au)での活動を予測し、目標を選定することが求められる(Ivanova et al., 2025)。
これまでの観測からは、彗星の光度変化率について興味深いことがわかっている。10au程度の遠方において彗星活動が高い彗星は、10auから1auにかけての増光率が小さい一方、10auでの彗星活動度が低い彗星は10auから1auに接近する際の増光率は高く、彗星活動の大きな増加が見られる傾向にある。(Lacerda et al., 2025)
また、電波スペクトル観測と可視測光観測との比較から日心距離に対する増光率の小さい彗星ほどCOやCO2などの揮発性物質を多く含む一方で、増光率の大きい彗星はH2Oが卓越した組成である傾向があるとの指摘がなされている (Biver et al., 1998, 2002) 。
しかし、具体的にどのような氷組成の彗星がどのような増光率になるかを定量的に評価した事例はない。そのため、増光率変化の観測から彗星の組成情報がどこまで正確に推定できるかは不明である。この問題を解決するため、本研究では組成比により彗星のライトカーブ進化がどのように影響を受けるかを以下の光度変化モデルを用いて計算を行った。
本研究では長周期彗星のH2O, CO, CO2昇華による遠方での光度変化を計算するモデルをMeech et al. (2017) の手法を用いて開発した。この光度モデルを用いて、長周期彗星のH2O, CO, CO2氷昇華に伴う光度変化を日心距離の関数として求めた。
これを元にH2O, CO, CO2の比率を変化させモデル計算を行った結果、H2Oに対してCO, CO2の比率がライトカーブの変化特性を大きく決めていることが明確となった。
