講演情報

[PPS12-P07]FIB-TOF-SIMSによるAllende隕石中のFe粒子およびAl-rich粒子分析

*増田 真盛1、白井 嗣恩1、坂本 哲夫1,2 (1.工学院大学大学院工学研究科電気・電子工学専攻、2.工学院大学先進工学部応用物理学科)

キーワード:

アエンデ隕石、コンドリュール、マトリックス、TOF-SIMS

Allende隕石(CV3)のマトリックスはオリビン、輝石、Fe-Ni硫化物、スピネル、Fe-Ni合金などを含むことが知られている(e.g., K. Kurihara et al., 2023)。これらの多くは数μm以下の微粒子として存在し、個々の粒子の組成と分布を取得するには高分解能の分析法が必要である。本研究室で開発した集束イオンビーム飛行時間型二次イオン質量分析法(FIB-TOF-SIMS)装置は高分解能質量イメージングが可能であり、これまでに、Allende隕石のマトリックス中にAlに富む微粒子を発見した(T. Sakamoto et al., 2022)。この微粒子はAl, Fe, Mgを主成分とするサブマイクロメートルの鉱物であり、マトリックスのほぼ全ての領域でオリビンの粒界に存在するとともに、Fe-Ni硫化物の周囲に密集していることが明らかになっている。本研究では、コンドリュール細粒リムに含まれるFe粒子、およびコンドリュールを取り囲むFe含有リムについて、FIB-TOF-SIMSによる元素イメージングを行い、これにより得られたFe周辺の元素分布について、マトリックスに存在するFe-Ni硫化物の結果と比較した。
試料はIn板に埋め込み、イオンミリング装置(IB-19530CP, JEOL)を用いて平滑な断面を作製した。コンドリュールとマトリックスの境界を含む試料を2つ作製し、分析を行った。FIB-TOF-SIMSによる質量イメージングは、Ga+一次イオンビーム(30 keV)をラスタースキャンすることによって行った。質量イメージングの結果、コンドリュール細粒リムに含まれるFe-Ni硫化物の周辺にはAlに富む微粒子が密集しており、マトリックスのものと類似した分布を示すことが明らかになった。ただし、作製した試料のうち1つではコンドリュールの周辺に細粒のネフェリンが観察され、Fe粒子にはNaが含まれていた。また、もう一方の試料ではコンドリュールを囲むようにFeを含むリムが存在し、このFeの周囲にもAlに富む微粒子が分布していた。今後これらの粒子について、マトリックス中のFe-Ni硫化物の周囲の微粒子と、組成と分布の詳細な比較を行う予定である。