講演情報

[PPS12-P10]レーザーポストイオン化SNMSを用いたプレソーラーSiCのTi同位体分析に向けて

*佐藤 慧1、寺田 健太郎1、福田 航平1、氏田 蒼1、篠崎 裕夢1、豊田 岐聡1 (1.大阪大学)

キーワード:

プレソーラーグレイン、同位体異常、隕石、SNMS

始原的隕石中には太陽系組成と比べて大きく同位体異常を示す数μmオーダーの粒子が存在している。それらはプレソーラーグレインと呼ばれ、同位体比は太陽系の前駆天体での元素合成の情報を反映している。微量元素の同位体分析からその情報を得ることができ、核物理理論や恒星進化論との比較がなされている。
 大阪大学ではこれまでレーザーポストイオン化2次中性粒子質量分析計(SNMS: Secondary Neutral Mass Spectrometer)の開発を行ってきた。本装置では、ビーム径最小4nmのGaイオンビームを照射し、中性粒子をスパッタする。それらをパワー密度1014〜1015W/cm2の高強度フェムト秒レーザーでポストイオン化することによってイオン収率を10000倍以上に増加させることに成功している(Terada et al., 2017)。質量分離部には多重周回飛行時間型質量分析計(MULTUM)を用いており、周回数を制御することにより数万という高い質量分解能を獲得できる。
 本研究ではプレソーラーSiCのTi分析を目指し、装置の最適化に取り組んだ。標準試料の分析の結果、周回数81〜85で質量分解能(FWHM)が約17000で、5つのTi安定同位体を同定することができた。また予察的な解析の結果、現設定では「220〜250‰/AMU」のInstrumental mass fractionation(IMF)があることを確認した。また、Tiの検出限界は数ppm程で、Gyngard et al. (2018)が報告したTi濃度(40ppm以上)であれば検出可能であることがわかった。今後は質量分解能を改善しIMF特性を評価することで測定条件をさらに最適化し、プレソーラーSiC中のTi同位体比の実測定を目指す。