講演情報
[SCG56-52]Numerical study of estimating time interval between successive megathrust earthquakes along the Nankai Trough, Japan: Incorporating viscoelastic crustal deformation
*村上 颯太1、金子 亮太2、日吉 善久1、堀 高峰1、藤田 航平2、市村 強2、飯沼 卓史1 (1.海洋研究開発機構、2.東京大学地震研究所)
南海トラフ沿いでは,東海沖から紀伊半島沖を超えて,四国沖までのプレート境界断層が破壊して一連の巨大地震として発生する場合と,紀伊半島を境にして東西に分かれて断層破壊が発生する場合が知られている.後者の場合,東西地震の発生間隔は1日程度から2年以上までと幅がある.このような地震間隔を推定することは,発災後の支援計画や復興計画を立てる上で非常に重要である.Hori et al. (2014)は,海底地殻変動の観測データに基づいて,片方の地震が発生してから次の地震までの間隔を予測する手法を提案している.本研究では,最近の固着域推定結果 (Sato et al., 2025) と,粘性緩和を考慮した3次元地殻変動解析手法を組み込むことにより,現実的な固着域分布および地殻粘弾性構造をより反映したモデルにおいて数値実験を実施し,発生間隔推定の基礎的検討を行った.
本研究では,東側固着域で先行破壊が生じる場合に限定して,紀伊半島先端付近の臨界すべり距離Lを変化させた場合のサイクルシミュレーションを行った.Lを増加させた場合,その領域がバリアとして機能することから地震時すべり量が減少する.その結果,西側固着域周辺の応力攪乱が小さくなり,西側固着域における地震直後のすべり速度の増加が抑制され,発生間隔が長くなるようなモデルが得られた.結果として,1日から2年の間の発生間隔を示す多数シナリオが得られた.
次に,サイクルシミュレーションによるすべりの時間発展履歴をもとに,詳細な地殻構造を考慮したモデルに基づく粘弾性地殻変動解析を行うことで海底観測点における地殻変動量を計算した.計算したシナリオの中から真の場合を決めて観測誤差を与えることで模擬データを作成し,模擬データに対する各シナリオにおける応答の尤度を計算した.この尤度をもとに発生間隔日の期待値や,発生間隔期間ごとの合計確率を計算することで,発生間隔の推定を行った.その結果,発生間隔が短期のケース(地震後から一か月以内)と長期のケース(地震後から3か月以上)では,余効すべりおよびそれに基づく地殻変動量が大きく異なり,ある程度推定が可能である結果が得られた.さらに,粘性構造を変えた場合に各シナリオ間の地殻変動量と比較して有意に大きな誤差が生じることから,推定性能が下がることが明らかになった.従って,発生間隔推定のためには粘性構造の同定が重要であることが示唆された.
本研究では,東側固着域で先行破壊が生じる場合に限定して,紀伊半島先端付近の臨界すべり距離Lを変化させた場合のサイクルシミュレーションを行った.Lを増加させた場合,その領域がバリアとして機能することから地震時すべり量が減少する.その結果,西側固着域周辺の応力攪乱が小さくなり,西側固着域における地震直後のすべり速度の増加が抑制され,発生間隔が長くなるようなモデルが得られた.結果として,1日から2年の間の発生間隔を示す多数シナリオが得られた.
次に,サイクルシミュレーションによるすべりの時間発展履歴をもとに,詳細な地殻構造を考慮したモデルに基づく粘弾性地殻変動解析を行うことで海底観測点における地殻変動量を計算した.計算したシナリオの中から真の場合を決めて観測誤差を与えることで模擬データを作成し,模擬データに対する各シナリオにおける応答の尤度を計算した.この尤度をもとに発生間隔日の期待値や,発生間隔期間ごとの合計確率を計算することで,発生間隔の推定を行った.その結果,発生間隔が短期のケース(地震後から一か月以内)と長期のケース(地震後から3か月以上)では,余効すべりおよびそれに基づく地殻変動量が大きく異なり,ある程度推定が可能である結果が得られた.さらに,粘性構造を変えた場合に各シナリオ間の地殻変動量と比較して有意に大きな誤差が生じることから,推定性能が下がることが明らかになった.従って,発生間隔推定のためには粘性構造の同定が重要であることが示唆された.
