講演情報
[SMP31-P08]礫岩片岩における礫形態とフィロ珪酸塩CPOに基づく変形解析
*鈴木 蓮也1、田阪 美樹1、増田 俊明1、楠 賢司1 (1.静岡大学)
キーワード:
歪解析、一梨礫岩片岩、白雲母、緑泥石、結晶方位定向配列
変成岩における変形解析では、歪マーカーを用いた有限歪解析と、鉱物の結晶方位定向配列(CPO)に基づく解析がそれぞれ発展してきたが、両者を同一試料内で定量的に比較した例は多くない。そこで本研究では、歪マーカーを含む一梨礫岩片岩を対象とし、礫形態に基づく有限歪解析と層状フィロ珪酸塩鉱物のCPO解析を併用して、両者の幾何学的対応関係を検討した。
試料は岐阜県楢谷地域に分布する一梨礫岩片岩であり、最大アスペクト比約30に達する花崗岩質礫を含む緑色片岩である。面構造および線構造を基準に、XZ面(線構造を含み面構造に直交する面)およびXY面(面構造に平行な面)で薄片を作製した。両断面において礫の長短軸比および長軸方位を測定し、有限歪楕円体を復元した。その結果、Flinn diagram における歪パラメータ k_F = 0.35 を示し、有限歪楕円体は flattening field に位置した。
同一試料中の白雲母および緑泥石(粒径約5 μm)のCPOをEBSDにより測定した。その結果、両鉱物の (001) 極は面構造に集中し、c軸は有限歪楕円体の短縮軸に直交する幾何学的対称性を示した。さらに、Masuda and Omori (2021) に基づき、雲母CPOの極点図パターンから結晶方位集中度を評価したところ、集中度パラメータ(K_CPO = −2.5, ψ = 0.1)を示した。これらの値は面状配向を示し、有限歪の幾何学的特徴と整合的である。
以上より、フィロ珪酸塩CPOは有限歪楕円体の幾何学的軸情報を反映していることが確認された。本研究は、歪マーカーを含まない変成岩においても、フィロ珪酸塩CPOに基づき有限歪の幾何学的特徴を推定できることを示す。
試料は岐阜県楢谷地域に分布する一梨礫岩片岩であり、最大アスペクト比約30に達する花崗岩質礫を含む緑色片岩である。面構造および線構造を基準に、XZ面(線構造を含み面構造に直交する面)およびXY面(面構造に平行な面)で薄片を作製した。両断面において礫の長短軸比および長軸方位を測定し、有限歪楕円体を復元した。その結果、Flinn diagram における歪パラメータ k_F = 0.35 を示し、有限歪楕円体は flattening field に位置した。
同一試料中の白雲母および緑泥石(粒径約5 μm)のCPOをEBSDにより測定した。その結果、両鉱物の (001) 極は面構造に集中し、c軸は有限歪楕円体の短縮軸に直交する幾何学的対称性を示した。さらに、Masuda and Omori (2021) に基づき、雲母CPOの極点図パターンから結晶方位集中度を評価したところ、集中度パラメータ(K_CPO = −2.5, ψ = 0.1)を示した。これらの値は面状配向を示し、有限歪の幾何学的特徴と整合的である。
以上より、フィロ珪酸塩CPOは有限歪楕円体の幾何学的軸情報を反映していることが確認された。本研究は、歪マーカーを含まない変成岩においても、フィロ珪酸塩CPOに基づき有限歪の幾何学的特徴を推定できることを示す。
