講演情報
[U02-04]多年性ラニーニャに対する全球平均地表気温応答を説明するための抵抗器-コンデンサ(RC)回路の応用★招待講演
岩切 友希1、*神山 翼2 (1.ハワイ大学マノア校、2.お茶の水女子大学理学部情報科学科)
キーワード:
RC回路、エルニーニョ南方振動、全球平均地表気温
人為起源の温室効果ガス強制力により上昇を続けている全球平均地表面気温(GMST)は、熱帯太平洋の海面水温変動と密接に関連している。特に、強くて短期間のエルニーニョ現象が発生すると、GMSTは上昇することが知られている。これに対して、エルニーニョとは反対であるが非対称な現象である、弱くて長期間続くラニーニャの全球冷却効果については、あまり研究が進んでいない。本研究では、観測データと気候モデルシミュレーションに基づき、複数年にわたるラニーニャイベントがGMSTに対して強い冷却効果を持つ傾向があることを示す。持続的なラニーニャは熱帯全域の気候を冷却し、一時的なGMST上昇の停滞を引き起こす。一方、単年のラニーニャの冷却効果は、他の熱帯海盆の遅延応答とその一過性のため、より弱い。しかしながら、いわゆるトリプルディップ(3年連続)あるいはそれ以上のイベントであっても、2年目を超える冷却効果は比較的小さいと考えられる。これは、熱帯域がすでに冷却されているためである。抵抗器−コンデンサ(RC)回路の枠組みへの類推を適用することで、複数年ラニーニャ期間中のGMST冷却の遅延とその下限値が、気候システムに本質的に備わる過渡的気候感度と海洋混合層の熱容量から自然に生じることを実証する。
