講演情報

[U09-P02]地盤情報や堆積環境解析を用いた都市地盤地質の把握と地質・地盤リスクの管理

*北田 奈緒子1、井上 直人1、三村 衛1 (1.一般財団法人 GRI財団)

キーワード:

地盤情報、都市地盤、堆積環境、リスクマネジメント

地盤特性によるトラブルの発生させやすい,すなわちリスクの高い地盤の特徴については,地質学的な観点から見た堆積環境や構成鉱物,地質構造などが要因となる場合が多く,地質学的な観点から見た地盤の特徴が施工時の対策方針や設計方針の重要なポイントとなることが多い.関西地域においては,地盤情報の集積があるため,これを用いた検討により,インフラ建設時の検討を行う事例が多いので,これを紹介するとともに,地質地盤リスクの管理方法について示す。
大阪平野には,海水準変動に伴って,温暖期に海成粘土層が広く分布する。完新統から更新統にかけて15枚以上分布する海成粘土層は,基本的に水平に堆積し,広範囲に分布することが特徴であるが,時として河川堆積物(礫や砂)によって削剥を受けて,層厚が半減する。このような浸食谷は現在の地形から推定するには不十分であり,ボーリングデータを並べて慎重に検討する必要がある。都市部における線状構造物(道路や鉄道)や大規模な工場などの基礎構造物を建設する際には,ボーリング調査を一定の間隔で実施し,事前に確認するか過去の調査記録を基に比較検討する必要がある。さらに,平野部に潜在する活断層による撓曲変形構造にも留意が必要である。断層運動によって大きく撓曲変形した地層は,同深度で出現するとなりあう海成粘土層が必ずしも同時期の堆積物ではないこともあり,地質学的な堆積環境調査を実施することで,各地層の対比を行って断面図を作成する必要がある。