講演情報
[U15-03]火山観測と火山防災のリンク★招待講演
*井口 正人1 (1.鹿児島市危機管理局危機管理課桜島火山防災研究所)
キーワード:
火山観測、火山災害、ハザードマップ
火山災害の軽減に貢献することを目的として火山観測網が整備されてきたが,火山災害の軽減への活用は不十分である.火山災害は,他の自然災害と同様に人命に直接影響を及ぼすものから社会インフラの破壊に端を発する経済的被害まで多岐に及ぶが,火山噴出物の形態は多様であること(火山岩塊、テフラ、火砕流、溶岩流、火山ガス)、火山噴火がマグマ物質の地上への噴出という可動性の高い物質の地上への堆積,さらに水とのリンクにより災害を引き起こす要因は複合的となる.したがって,災害は極めて複合的となる.
火山防災の基本はハザードを評価することであるが、数値モデルに基づくシミュレーションによりハザード評価が可能である。この場合の最も重要な入力パラメータは噴出率の時間関数、その積分値の噴出量である。
通常、ハザードマップを作成する場合は、想定される噴火シナリオに基づいて噴出率と継続時間を仮定し、その影響範囲を評価する。想定と異なる火口位置や地形変化を取り入れて氾濫範囲を評価するシステムとして国土交通省のリアルタイムハザードマップがある。これは早急な地形情報の修正により、ハザード範囲を改訂するものである。火砕流は溶岩流のように重力によって流下する現象では、流下は地形によって制御されるので、早急な写真測量やレーザープロファイラー測量により地形データを改訂する必要がある。一方、テフラのように風速場によって移流拡散する現象(重力による降下は含まれるが)のハザードでは、風速場を適切に反映させる必要があり、気象庁のメソスケール気象モデルが使用される。
本来、リアルタイムハザードマップにおいてはこのような噴出物の運動を制御する要因よりもソースの情報そのものの把握が重要である。噴出率の時間変化は噴出物の堆積分布の変化によって推測することができるが、野外調査は時間がかかる場合が多い。特に、大規模噴火発生時に大気中を拡散するテフラについては、堆積域が広いためにその調査には膨大な時間を要する。噴出物量そのものを計測しているわけではないが,気象レーダや人工衛星観測などのリモート観測手法は、噴出物の空間的分布範囲やその時間発展を把握するのに有用である。また,噴火現象は収縮性地盤変動や地震動(爆発地震や噴火微動)を伴うことから,噴出率の時間変化を推定するのにその即時性及び観測のロバスト性の観点から有効である.
噴火発生が差し迫った状況においては,これまで火山噴火予知の要素に位置づけられてきた時期,規模,場所,様式,推移の予測が重要である.このうち,推移は他の要素とは本質的に異なる包括的概念である.すなわち,予測に必要な要素は規模,場所,様式の時間変化と考えればよい.これをハザード予測の観点からみると火口と様式ごとの噴出率の時間関数の予測ということになる.火口と様式ごとの噴出率の時間関数を対応するシミュレータに入力することにより,ハザード予測が可能となる.噴出率の時間関数はモデルに依存するが,噴出率の積分値である噴出量は噴火に先行する地盤変動や地震活動から経験的に予測可能である.前駆火山性地震の総エネルギーと噴出物量の間には相関があり,火山性地震の絵ベルギーは噴出物量の上限式を経験的に与えることができる.また,地盤変動から求められる圧力源の体積変化は噴出物量と相関がある.噴火様式についてはマグマの貫入速度に関係する.貫入速度が大きければ,爆発的となり,小さければ穏やかな噴火となる.桜島では,これまでの噴火に前駆する主に地盤活動から推定されるマグマ貫入速度による噴火様式と規模の事象分岐が提案されている.
観測量からハザードを予測するためには(1)地震活動や地盤変動からマグマの貫入量を推定,(2)マグマ貫入量と噴出量を関連付けるモデルの構築,(3)マグマ貫入速度から噴火ハザード要因(テフラ,火砕流,溶岩流)へのマグマの配分モデルの構築,(4)ハザード要因ごとに影響評価.
火山防災の基本はハザードを評価することであるが、数値モデルに基づくシミュレーションによりハザード評価が可能である。この場合の最も重要な入力パラメータは噴出率の時間関数、その積分値の噴出量である。
通常、ハザードマップを作成する場合は、想定される噴火シナリオに基づいて噴出率と継続時間を仮定し、その影響範囲を評価する。想定と異なる火口位置や地形変化を取り入れて氾濫範囲を評価するシステムとして国土交通省のリアルタイムハザードマップがある。これは早急な地形情報の修正により、ハザード範囲を改訂するものである。火砕流は溶岩流のように重力によって流下する現象では、流下は地形によって制御されるので、早急な写真測量やレーザープロファイラー測量により地形データを改訂する必要がある。一方、テフラのように風速場によって移流拡散する現象(重力による降下は含まれるが)のハザードでは、風速場を適切に反映させる必要があり、気象庁のメソスケール気象モデルが使用される。
本来、リアルタイムハザードマップにおいてはこのような噴出物の運動を制御する要因よりもソースの情報そのものの把握が重要である。噴出率の時間変化は噴出物の堆積分布の変化によって推測することができるが、野外調査は時間がかかる場合が多い。特に、大規模噴火発生時に大気中を拡散するテフラについては、堆積域が広いためにその調査には膨大な時間を要する。噴出物量そのものを計測しているわけではないが,気象レーダや人工衛星観測などのリモート観測手法は、噴出物の空間的分布範囲やその時間発展を把握するのに有用である。また,噴火現象は収縮性地盤変動や地震動(爆発地震や噴火微動)を伴うことから,噴出率の時間変化を推定するのにその即時性及び観測のロバスト性の観点から有効である.
噴火発生が差し迫った状況においては,これまで火山噴火予知の要素に位置づけられてきた時期,規模,場所,様式,推移の予測が重要である.このうち,推移は他の要素とは本質的に異なる包括的概念である.すなわち,予測に必要な要素は規模,場所,様式の時間変化と考えればよい.これをハザード予測の観点からみると火口と様式ごとの噴出率の時間関数の予測ということになる.火口と様式ごとの噴出率の時間関数を対応するシミュレータに入力することにより,ハザード予測が可能となる.噴出率の時間関数はモデルに依存するが,噴出率の積分値である噴出量は噴火に先行する地盤変動や地震活動から経験的に予測可能である.前駆火山性地震の総エネルギーと噴出物量の間には相関があり,火山性地震の絵ベルギーは噴出物量の上限式を経験的に与えることができる.また,地盤変動から求められる圧力源の体積変化は噴出物量と相関がある.噴火様式についてはマグマの貫入速度に関係する.貫入速度が大きければ,爆発的となり,小さければ穏やかな噴火となる.桜島では,これまでの噴火に前駆する主に地盤活動から推定されるマグマ貫入速度による噴火様式と規模の事象分岐が提案されている.
観測量からハザードを予測するためには(1)地震活動や地盤変動からマグマの貫入量を推定,(2)マグマ貫入量と噴出量を関連付けるモデルの構築,(3)マグマ貫入速度から噴火ハザード要因(テフラ,火砕流,溶岩流)へのマグマの配分モデルの構築,(4)ハザード要因ごとに影響評価.
