講演情報
[23p-12H-5]低結晶性BaTiO3薄膜におけるポーラロン伝導が誘電特性に及ぼす影響
〇近藤 真矢1、村上 太一1、Loick Pichon2、Joël Leblanc-Lavoie2、寺西 貴志1、山田 智明3、岸本 昭1、My Ali El Khakani2 (1.岡山大、2.INRS、3.名大工)
キーワード:
BaTiO3薄膜,ポーラロン伝導
パルスレーザー堆積法を用いて異なる成膜温度、酸素分圧の様々な条件でBaTiO3 (BTO) 薄膜を作製した。高い酸素分圧下で作製した場合、350程度と粒径の小さな多結晶薄膜で見られる典型的な傾向を示した。一方で、真空中で作製した場合、結晶化が不十分な成膜温度においても、バルクに匹敵する3000を超える誘電率を示し、比較的小さな誘電損失を示した。さらに成膜温度を上昇させると、結晶性が向上しているにも関わらず、高周波帯の誘電率は逆に単調に減少し、誘電損失は増大する傾向を示した。このような誘電応答はポーラロンのホッピング伝導によって説明できることがわかり、高速電子伝導パスを有する半導性のナノ結晶相と電子遮蔽効果を有する非晶質界面を複合コンポジット構造化することで、広い周波数範囲で高誘電率かつ低誘電損失を同時に実現できることが明らかになった。