講演情報
[23p-71B-7]分極反転結晶を用いた可視赤外量子もつれ光の同時発生
〇田中 耕一郎1 (1.京大理物理)
キーワード:
分極反転結晶,量子もつれ光
光の量子もつれ状態は、複数の光子の間に光子が持つ自由度(周波数、波数ベクトル、偏光、時間)において特殊な相関が存在する量子状態であり、古典的描像では記述することのできない特異な現象を示す。2つの光子間にもつれ状態を形成する代表的な手法に自発パラメトリック下方変換 (SPDC) 過程 を用いた手法がある。SPDC 過程は1つの光子が偏光、周波数、波数ベクトルの自由度で相関を持つ 2 つの光子に分裂する非線形現象である。我々は、分極反転結晶をある特別な条件で用いると複数のSPDC 過程が同時に起きることが許される(同時SPDC)ことを見出した。この方法を用いると、広帯域な非縮退可視赤外量子もつれ光発生が可能になる。講演では、その原理と評価について述べる。