講演情報
[24p-71A-8]テラヘルツ光で調べる高速電荷輸送と機能性開拓
〇松永 隆佑1 (1.東大物性研)
キーワード:
テラヘルツ分光,トポロジカル半金属,スピントロニクス
我々は、結晶の対称性やトポロジーに起因した応答を示すトポロジカル半金属に注目し、テラヘルツ分光を使って電荷輸送現象に関連する研究を進めてきた。ディラック半金属が示す高効率なテラヘルツ高次高調波発生や巨大な誘導レイリー散乱、さらに磁化を持たないにも関わらず強磁性体並みの巨大な異常ホール効果を示すワイル反強磁性金属の異常ホール効果ダイナミクスなどを明らかにしてきた。さらに最近では、トポロジカル材料の研究で得た知見を半導体スピントロニクスに適用し、GaAsにおいてスピンHall伝導度をスペクトルとして計測することに初めて成功した。そのスペクトル解析から、スピンHall効果の微視的起源を明瞭に分離することに成功した。このように超短パルスレーザー技術に基づくテラヘルツパルス技術によって電荷の高速輸送現象とその機能性を分光学的に明らかにすることが可能である。講演では今後の展開についても議論したい。