講演情報
[11012-18-01]速度-圧力一体型SPH法による壁面境界処理の改良(シンポジウム講演概要)
*岡野 翔大1,2、森川 ダニエル3、葛 宇甯2、浅井 光輝1 (1. 九州大学、2. 国立台湾大学、3. 同済大学)
キーワード:
SPH、一体型解法、変分マルチスケール法、境界条件
自由表面流れや大変形を伴う問題に対して適用性が高いSPH法は,流体-構造連成解析など複雑な現象において多くの応用研究が進められてきた.しかしながら,流体向けの応用であるISPH法には,流体粒子の影響範囲内に異なる複数の壁境界が存在する場合に,その近傍の流体粒子が複数の異なるNeumann境界条件を課されることにより非物理的な結果が計算される課題が存在する.特に,土木工学分野では土中の間隙水の解析等においてこの課題は大きな技術的制約となっている.この課題を解決するため,本研究では安定化手法を導入した速度-圧力一体型解法によるISPH法を提案した.提案手法の特徴は,Dirichlet境界条件のみで境界条件を付与できる点にある.数値計算例では,従来のISPH法では計算が困難な狭窄部を有する静水圧問題を通して提案手法の有用性を確認した.今後は3次元問題への拡張を進める予定である.