講演情報
[12001-06-02]気候変動下における岩盤河川形態に対する摩滅と風化の影響の数値シミュレーション(シンポジウム講演概要)
*ユアングアイ チョンラダ1、サムナー 圭希1、井上 卓也1 (1. 広島大学)
キーワード:
Numerical Simulation、Freezing and Thawing Weathering、Climate Change
岩盤河川の形態は、堆積物の特性、気候条件、岩石の強度、地形の影響を受けるが、風化の影響、特に湿潤-乾燥や凍結-融解サイクルと摩耗の相互作用は十分に検討されていない。本研究では、河床の塩析による摩耗と凍結融解による風化をシミュレートする数値モデルを開発した。主要パラメータは流出水量、沖積土被度、凍結融解による侵食深さであり、河道切開、土砂輸送、河岸変遷への影響を評価した。結果として、放水量の増加が土砂輸送と摩滅を促進し、河道切開を強めることが明らかになった。また、凍結融解と湿乾性風化によって岩盤が弱くなり、侵食されやすくなることが示された。これらの知見は、流出水量、土砂輸送、風化の相互作用が岩盤河川の形成に与える影響を明確にする。本モデルは、河川の進化を予測する実用的なツールとして、地形学、河川管理、気候適応に貢献する。