講演情報
[12011-17-05]漂流物の付着が伝統河川工法「聖牛」周辺の流れ構造に与える影響(シンポジウム講演概要)
*岩田 遥佳1、張 浩1、三宅 利1、稲垣 直人1 (1. 熊本大学)
キーワード:
伝統河川工法、聖牛、漂流物、流れ構造、地形変動
日本の伝統河川工法である聖牛は,古くから河岸や河床の浸食防止を目的として設置されてきた.河川のエネルギーと自然材料を最大限に活用した聖牛は,環境に優しい工法であり,その再生と改良により,新しい自然を活用した解決策(Nature-based Solution, NbS)技術として期待される.一方で,聖牛は漂流物の付着によって水理機能が変化することが維持管理上の重要な課題である.本研究では,漂流物の付着形態を変化させ,聖牛周辺の流れと地形変動に関する水理実験を実施した.実験結果から,聖牛周辺および内部では,漂流物の付着形態に応じて複雑な流れが生じることが明らかになった.特に,聖牛前面が透過型であるケースと一部不透過型であるケースで異なる傾向が見られ,一部不透過型のケースでは洗掘がより発達する傾向が確認された.また,流れの特性と聖牛周辺における局所洗掘および堆積地形の関係を明らかにした.