講演情報
[WS1-2]新型内視鏡システム, EP-8000における内視鏡AIの大腸ポリープ発見能および診断能の検討
小林 玲央1, 吉田 直久1, 井上 健1, 稲田 裕2, 森永 友紀子3, 稲垣 恭和4 (1.京都府立医科大学附属病院消化器内科, 2.京都第一赤十字病院消化器内科, 3.京都府立医科大学附属病院病理診断科, 4.西陣病院消化器内科)
[目的] AIによる内視鏡画像診断支援システムとしてCAD EYE (EX-1, Fujifilm)が2020年に上市されており診療報酬加算もあり一般的に使用されている.2024年に新型内視鏡システムEP-8000 (Fujifilm)が上市され,より鮮明な画像を得ることが可能になった.本研究では新システムによるCAD EYEのポリープ検出/鑑別能を評価し,旧システムとの対比も行った.[方法] 単施設の観察研究であり,対象は2025年3-5月にEP-8000システムを使用して内視鏡医が連続的に発見した長径2-10 mmの大腸腫瘍とした.発見後にCAD EYEをonにし,腫瘍の前後3cm程度の正常腸管をCAD EYE併用の白色光 (WLI)およびlinked color imaging (LCI)にて通常観察と1.5倍の観察スピードの観察 (high-speed WLI/LCI)を行いCAD EYEが検出可能かを評価した.なお検出陽性はAnnotation boxの出現とした.その後CAD EYE併用のBLI拡大観察で全腫瘍を確認し診断能 を検討した.また先行研究で得られた旧システムVP-7000 (Fujifilm) を使用した100病変のCAD EYEの検出/診断能を比較した.[結果] 全体で27症例100病変を解析し,平均年齢66.7±10.9歳,男性比66.7%であった.平均腫瘍径4.3±3.0 mmであった.なお病理診断は鋸歯状病変43病変, low grade adenoma57病変であった.検出能はWLI vs. high-speed WLIで94.0% vs. 68.0% (p<0.001),LCI vs. high-speed LCIで94.0% vs. 75.0% (p<0.001),WLI vs. LCIで94.0% vs. 94.0% (p=1.000),high-speed WLI vs. high-speed LCIで68.0% vs. 75% (p=0.273)であった.CAD EYEの鑑別能は正診率95.0%であり,BLI拡大におけるExpert内視鏡医の100.0%との有意差を認めなかった (p=0.07).また新旧システムの比較 (ELUXEO 8000 vs. ELUXEO 7000)では,WLI: 94.0% vs. 85.0% (p=0.038)と有意差を認めたが,high-speed WLI: 68.0% vs. 67.0% (p=0.880),LCI: 94.0% vs. 89.0% (p=0.205),high-speed LCI: 75.0% vs. 75.0% (p=1.000)は有意差を認めなかった.またCAD EYEの正診率: 95.0% vs. 87.8% (p=0.080)であった.
[結語] EP-8000では特にWLIの視認性の向上を認めたことから,観察モードを問わず腫瘍検出が容易になる可能性が示唆された.
[結語] EP-8000では特にWLIの視認性の向上を認めたことから,観察モードを問わず腫瘍検出が容易になる可能性が示唆された.