講演情報

[OS-06-01]物理的パラメータに基づく貯留・流出関係式の開発と分布型水文モデルへの適用

*菅原 快斗1、佐山 敬洋1 (1. 京都大学 防災研究所)
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キーワード:

斜面流出、貯留・流出関係式、洪水モデル、土壌物性値、リチャーズ式

日本の洪水予測で主流のKinematic Waveモデルは、洪水再現のために飽和透水係数を実態よりオーダー単位で大きく設定しなければならないという物理的な整合性の課題を抱えている 。本研究では、洪水応答が鉛直不飽和浸透によってもたらされるという仮定に基づき、より実態に即した物理的プロセスを表現する降雨流出モデルの開発を目的とした 。 具体的には、鉛直一次元Richards式に従う不飽和浸透過程を簡便に記述する貯留・流出関係式を導出し、分布型水文モデルへと適用した 。この関係式はRichards式と共通のパラメータで構成され、空間離散化を伴わずに洪水流出を計算可能という特徴を持つ 。三重県安濃ダム流域(28 km^2)を対象とした再現計算では、現地で測定された土壌物性値を拘束条件としたパラメータ最適化を実施した 。その結果、実測パラメータによる拘束を加えても既往洪水を精度よく再現できることが確認された 。また、実測値を拘束条件とすることでハイドログラフの不確実性が低減されることが示された 。本研究により、モデルの精度を損なうことなく、物理的な妥当性と予測の頑健性を両立した洪水解析が可能であることが示唆された 。