講演情報
[OS-06-03]河川氾濫に伴う高速流浸水に関するLarge-Eddy Simulations-市街地内の水流速および建物に作用する水圧力の分析-
*石田 泰之1、濱嶋 亮登1、平賀 優介1、持田 灯1 (1. 東北大学)
キーワード:
河川氾濫、高速流浸水、VOF法、Large-Eddy Simulation、グロス建蔽率
豪雨災害の激甚化への対応として河川氾濫を前提とする流域治水の概念に基づく対策が進められる.また,氾濫時の水流速に応じて低速流浸水と高速流浸水に分けて対策検討を行うことの重要性が示されている.後者の高速流浸水は,建築物を破壊・流出させ得るものであり,街区スケール・建物スケールの対策を検討する上では,市街地内の流速や建物に作用する水圧力を3次元流体解析により詳細に予測することが有効と考えられる.しかしながら,数値解析による氾濫被害の予測は平面2次元流体解析が主に用いられ,建築・街区スケールの高速流浸水を対象とする3次元流体解析は殆ど行われていないのが現状である.本研究では,高速流浸水時の流れ場に関する基礎的な知見の蓄積を目的とし,3次元のLarge-Eddy Simulationにより建物群のグロス建蔽率の違いが市街地内の水流場および建物に作用する水圧力,さらに建物群の流体抵抗特性に及ぼす影響を分析した.検討ケースはグロス建蔽率が11%,25%,44%の3つのモデル街区を設定し,Volume of Fluid法により解析を行った.まず流れ場に関して,建物の上流側コーナー部には流れの剥離および加速が,下流側の低速域には旋回流が確認され,グロス建蔽率が高いほど剥離域における加速が弱まる.また,上流側壁面における流れの淀み点位置がグロス建蔽率の増加に応じて上方に変化し,壁面に作用する水圧力の分布がこれに応じて変化する.さらに,建物群としての流体抵抗特性を,建築物の開口部等の換気流路における流体抵抗の評価手法を応用し分析した.グロス建蔽率の増加に伴って建物群による流体抵抗が増えることで抵抗係数が増加する.抵抗係数の増加は流量係数の減少を意味し,流量係数の減少に伴って流量及び平均流速が減少する.流量係数の差異について,グロス建蔽率が11%から25%に変化すると約4~5割の減少、グロス建蔽率が25%から44%に変化すると約3~4割減少した.
