講演情報
[OS-11-02]浅い富栄養湖を対象とした衛星画像解析と機械学習の統合によるメタン排出量推定
*小田 理人1、楊 偉2、岩田 拓記3 (1. 千葉大学大学院融合理工学府、2. 千葉大学環境リモートセンシング研究センター、3. 信州大学理学部)
キーワード:
メタン排出量、浅い富栄養湖、衛星リモートセンシング、渦相関法、機械学習
1. はじめに
湖沼をはじめとする淡水域は自然起源で最大のメタン排出源であり、その排出量と発生メカニズムの解明が急務である。しかし、直接観測地点は限定的であり、湖沼全域の排出量を広域推定する手法は確立されていない。本研究では、富栄養湖である長野県・諏訪湖を対象に、衛星リモートセンシングと現地観測を組み合わせた機械学習モデルを構築し、排出量の空間分布と季節変動の解明、およびモデルの汎用性検証を目的とした。2. 対象地域の概要と方法
諏訪湖畔で渦相関法により得られたメタンフラックスを目的変数、衛星観測指標を説明変数として、ランダムフォレスト(RF)による推定モデルを構築した。説明変数には、MODISによる湖表面温度(LST)に加え、PlanetScopeデータから算出した水生植物繁茂面積、および各種指標(NDVI, NDAVI, NDCI)を用いた。 推定に際しては、湖上に観測フットプリント相当のグリッドを設定して排出量を算出することで、湖全域の空間分布を可視化した。また、汎用性検証のため、兵庫県(布池)、米国(アクトン湖)、カナダ(ビッグベアー湖)へも同様の手法を適用した。
3. 結果と討論
月平均、16日平均、8日平均の3種の時間解像度、および3種のアルゴリズム(RF, GBDT, XGBoost)を比較した結果、RFを用いた月平均データセットが最高の推定精度を示した。 一方で、冬季の結氷や夏季の水生植物の繁茂といった短期的な環境変化との相関については、8日平均データセットの方が実際の現象に即した挙動を捉えた。このことから、解析目的に応じたタイムスケールの選択が重要であると示唆された。 他湖沼への適用では、諏訪湖と気候帯が類似する布池において最も高い精度が得られ、モデルの移植における気候条件の重要性が確認された。
4. おわりに
本研究により、衛星画像解析と機械学習の統合が湖沼からのメタン排出量の広域推定に有効であることが示された。今後は、検証対象となる湖沼数を拡充し、水深・水質・気候区分の異なる環境下での検証を進めることで、モデルのさらなる汎用化を目指す。
湖沼をはじめとする淡水域は自然起源で最大のメタン排出源であり、その排出量と発生メカニズムの解明が急務である。しかし、直接観測地点は限定的であり、湖沼全域の排出量を広域推定する手法は確立されていない。本研究では、富栄養湖である長野県・諏訪湖を対象に、衛星リモートセンシングと現地観測を組み合わせた機械学習モデルを構築し、排出量の空間分布と季節変動の解明、およびモデルの汎用性検証を目的とした。2. 対象地域の概要と方法
諏訪湖畔で渦相関法により得られたメタンフラックスを目的変数、衛星観測指標を説明変数として、ランダムフォレスト(RF)による推定モデルを構築した。説明変数には、MODISによる湖表面温度(LST)に加え、PlanetScopeデータから算出した水生植物繁茂面積、および各種指標(NDVI, NDAVI, NDCI)を用いた。 推定に際しては、湖上に観測フットプリント相当のグリッドを設定して排出量を算出することで、湖全域の空間分布を可視化した。また、汎用性検証のため、兵庫県(布池)、米国(アクトン湖)、カナダ(ビッグベアー湖)へも同様の手法を適用した。
3. 結果と討論
月平均、16日平均、8日平均の3種の時間解像度、および3種のアルゴリズム(RF, GBDT, XGBoost)を比較した結果、RFを用いた月平均データセットが最高の推定精度を示した。 一方で、冬季の結氷や夏季の水生植物の繁茂といった短期的な環境変化との相関については、8日平均データセットの方が実際の現象に即した挙動を捉えた。このことから、解析目的に応じたタイムスケールの選択が重要であると示唆された。 他湖沼への適用では、諏訪湖と気候帯が類似する布池において最も高い精度が得られ、モデルの移植における気候条件の重要性が確認された。
4. おわりに
本研究により、衛星画像解析と機械学習の統合が湖沼からのメタン排出量の広域推定に有効であることが示された。今後は、検証対象となる湖沼数を拡充し、水深・水質・気候区分の異なる環境下での検証を進めることで、モデルのさらなる汎用化を目指す。
