講演情報
[PS-01-07]Sentinel-2衛星画像と機械学習を用いた山梨県および河道内における外来樹種ニワウルシの検出
*青木 実伶1、馬籠 純2、石平 博2、相馬 一義2、安田 泰輔3 (1. 山梨大学大学院医工農学総合教育部、2. 山梨大学 国際流域環境研究センター、3. 山梨県 富士山科学研究所)
キーワード:
リモートセンシング、外来植物、機械学習、ニワウルシ、河道内植生
強い繁殖力を持ち、在来の生態系や河川管理への悪影響を及ぼすニワウルシ(Ailanthus altissima)の拡大が課題となっている。効率的な防除計画の策定には広域的な分布把握が不可欠であるが、現地調査には多大なコストを要する。本研究では、欧州宇宙機関(ESA)Sentinel-2の画像と機械学習を用い、山梨県全域および富士川河道内を対象としたニワウルシの分布推定モデルの構築を目的とした。解析には、Sentinel-2の分光情報から算出した正規化植生指標(NDVI)、クロロフィル指標(Chlorophyll Red-Edge)および正規化干ばつ指標(NMDI)を用いた。2021年から2024年の期間において、多時期の画像を合成したコンポジット手法と、目視選定により雲の影響を除去した通年12時期の画像を用いる手法を比較検討した。分類アルゴリズムにはRandom Forestを採用し、山梨県内の道路沿いを中心としたニワウルシ出現地点および非出現地点(各694地点)を教師データとして学習・検証を行った。精度評価の結果、目視選定した12時期の画像を用いたモデルがF値0.87と最も高い精度を示した。特徴量重要度を確認すると、4月および9月におけるChlorophyll Red-Edgeの寄与が極めて高く、ニワウルシ固有のフェノロジーが識別において決定的な役割を果たしていることが示唆された。またChlorophyll Red-EdgeとNMDIを組み合わせ、目視選択を行ったモデルを使用し山梨県の範囲に適応したポテンシャルマップを作成した結果、ニワウルシの拡大傾向が確認された。しかし、富士川河道内への適用においては、河道全域がニワウルシとして過剰に抽出される傾向が確認された。本研究により、多時期の衛星情報を統合することで、広域的なニワウルシの分布を高い精度で推定可能であることが示された。一方で、河川内などの特殊な水分環境下での誤検出が課題として浮き彫りとなった。今後は水辺の国勢調査等の既存植生データやさらなる現地調査や標高・比高データの導入に基づき、河川特有の環境を反映した学習データの拡充を目指し、本手法の補正精度を向上させていく予定である。
