講演情報

[PS-01-09]複数反射体を用いた地上デジタル放送波による水蒸気量変動観測の降雨事例解析
- 大気下層の空間的不均一性に着目して -

*今 颯人1、永井 佑佳2、小田 僚子2、花土 弘3、川村 誠治3、河谷 能幸3 (1. 千葉工業大学 創造工学研究科都市環境工学専攻、2. 千葉工業大学 創造工学部都市環境工学科、3. 国立研究開発法人 情報通信研究機構)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

水蒸気、降雨、伝搬遅延、地上デジタル放送波、都市

大気下層の水蒸気変動量を時間連続的に観測する技術として,地上デジタル放送波の伝搬遅延を利用した手法がある.本研究では,水蒸気量の空間変動の抽出を目的として,千葉県習志野市の千葉工業大学新習志野キャンパスにある受信局から南東方向約12 km の区間を対象に,9つの反射体からの伝搬遅延時間変動を解析した.2024年6月3日の降雨事例では,複数の反射波において伝搬遅延時間の顕著な減少が確認された.これは,降水に伴う下降気流により上空の乾燥空気が地表付近に流入したことが示唆されている.一方で,同時間帯に伝搬遅延時間が減少しない反射波も存在した.伝搬遅延時間変動に差異が見られた要因として,降雨時に大気下層の擾乱が激しく生じ,大気下層における水蒸気量分布の空間的な不均一性が観測された可能性がある.また,各反射体反射波の観測高度の違いが考えられる.今後は,複数の地上気象測器による水蒸気観測および数値解析を組み合わせることにより,複数反射体を用いた地デジ水蒸気量変動観測が,メソγスケール以下の水蒸気量変動を捉える手法として有用であるかについて検討を進める予定である.