講演情報

[PS-01-15]高解像度な河川分断度評価と生物多様性に関する研究

*古厩 瑞希1、馬籠 純2、石平 博2、相馬 一義2、松尾 なずな3 (1. 山梨大学 医工農学総合教育部、2. 山梨大学 国際流域環境研究センター、3. 山梨県庁)
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キーワード:

河川、河川構造物、生物多様性、GIS、山梨県

本研究では、山梨県全域の河川を対象に、小規模な砂防堰堤や支流を含む詳細なGISデータベースを構築し、河川分断度(DOF:Degree of Fragmentation)の高解像度マップを作成した。河川構造物による河川の分断は、生物の移動や生息環境を制限し、生物多様性低下の要因となる。しかし従来研究では大規模ダムのみを対象としており、小規模支流での実態把握が困難であった。 本研究では、山梨県内のダム16施設および砂防堰堤2113施設の位置・規模データを整理し、30m解像度の河川流向データを用いて河川ネットワークを作成した。さらに、降水量と蒸発散量から自然平均流量を算出し、既往研究に基づくDOF指標を河川ラスターごとに計算した。加えて、得られたDOFマップと、日本の魚類・両生類の生物多様性マップを比較し、空間的な関係性を評価した。 その結果、従来より高解像度なDOFマップが構築され、小規模支流や砂防堰堤の影響を反映できたことで、高分断河川の割合が増加した。特に高DOF領域は支流上流域に集中していた。一方、生物多様性との比較では、一部で対応関係が見られたものの、単純な負の相関は確認されなかった。これは、上流域では水質や森林環境などが良好である可能性や、両生類には河岸域環境も重要であるためと考えられる。 今後は、構造物規模や用水路ネットワーク、土地利用なども考慮した解析を進め、河川と農地を含めた生物多様性ネットワーク評価や現地調査との比較検証を行う予定である。