講演情報

[PS-01-27]筑後川流域における土地利用・土地被覆の将来予測

*高田 尚輝1、丸谷 靖幸2、芳賀 智宏3、渡部 哲史4 (1. 九州大学大学院 工学府 土木工学専攻、2. 九州大学大学院工学研究院、3. 東京大学大学院理学系研究科、4. 九州大学大学院比較社会文化研究院)
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キーワード:

LANDIS-II、森林景観、気候変動、土地利用・土地被覆

地球温暖化による気候変動の進行に伴い,水災害の激甚化や頻発化が予測されている.IPCC第6次報告書第1作業部会は,極端降水や渇水を含む,世界全体の水循環のさらなる悪化を予測している.一方,生物多様性条約COP15では,2030年までに生物多様性の損失を止め,回復に転じさせる目標が掲げられるなど,環境保全の重要性も高まっている.しかし,流域における治水,利水,環境の取り組みには利益相反が生じ得る.例えば,ダム運用において,治水面では空容量確保のための低水位が,利水面では安定供給のための高水位が求められる.このような利益相反を調整し,相乗効果を発現させるため,国土交通省は流域の関係者間で課題を共有し,流域治水・水利用・流域環境に関して一体的な取り組みを行う,流域総合水管理を推進している.流域の合意形成には,多様なシナリオに基づく流出予測が不可欠である.例えば,人口減少したシナリオで耕作放棄地が増加した場合,田畑が草地や森林へ変化し,流出特性が現在から変化すると考えられる.そこで本研究では九州地方の筑後川流域を対象として,流出計算に必要な土地利用・土地被覆(LULC)を森林景観モデルLANDIS-IIを用いて想定される様々なシナリオで計算し,複数のシナリオ間での比較,検討を行った.本研究で使用したLANDIS-IIは,景観スケールで,森林の遷移,撹乱を計算することができる数値モデルである.景観は数十mから数百m四方のサイト(グリッド)に分割され,樹木は種と年齢によって定義されるコホートという単位で管理される.遷移過程については,LANDIS-IIでは複数の拡張機能が存在する.本研究ではデフォルトのBiomass Succession拡張機能に比べ,気候変動への応答性が高いという特徴がある,Net Ecosystem CN Succession(NECN Succession)拡張機能を使用した.本研究ではLULCの予測を行うため,月単位のタイムステップで動作し,コホートの成長において多くの生活史パラメータを考慮する事が重要であることから,NECN Successionを採用した.撹乱については,人工林にて行われている択伐,皆伐をHarvest拡張機能を用いて再現した.また,シナリオ特有の土地利用に関しても,Harvest拡張機能を用いて再現した.