講演情報

[PS-01-39]北日本における線状降水帯の雨量と発生位置を支配する環境場の分析

*田原 亮太郎1、平賀 優介1 (1. 東北大学 工学研究科)
PDFダウンロードPDFダウンロード

キーワード:

Mesoscale Convective Systems、Ensemble-Based Analysis、線状降水帯

線状降水帯は土砂災害や洪水氾濫を引き起こす主要な豪雨現象であり,その予測精度向上は防災上重要である.一方,従来研究の多くは豪雨発生時の環境場の特徴把握に重点を置いており,類似した環境場で豪雨に至る場合と至らない場合,また降水域の位置が異なる場合を分ける要因は十分に明らかでない.本研究では,アンサンブル予報を用いて,線状降水帯の降水強度および発生位置を制御する環境要因を明らかにすることを目的とする.対象は2022年8月3–4日に山形県・新潟県で発生した線状降水帯事例とし,WRF v4.6.0により288メンバーのアンサンブル計算を行った.各メンバーを24時間領域平均降水量の上位・下位5パーセンタイルに基づき高降水・低降水グループに分類し,さらに24時間積算降水量分布へのEOF解析により降水域の位置ずれを示すグループを抽出した.その結果,高降水グループでは250 mmを超える降雨域が広範囲に分布した一方,低降水グループでは強雨域は明瞭でなかった.また,EOF第一主成分により,降水域が北東側または南西側に位置する代表的な位置ずれが抽出された.これらの降水強度および位置の差は,主に鉛直積算水蒸気フラックスの流入量・経路と,水蒸気フラックス収束域の強度・形成位置の違いにより規定されることが示された.