講演情報

[PS-01-49]メッシュ気象データを活用した積雪水量と融雪流出予測の精度向上の提案

*平沢 陽子1,2、黒滝 紗永3、中津川 誠1 (1. 室蘭工業大学大学院工学研究科、2. 一般財団法人日本気象協会、3. 岩田地崎建設株式会社北海道土木本店土木部工事課)
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キーワード:

ダム流入量予測、融雪、降水量補正、水収支、解析積雪深

北海道のような積雪寒冷地域では,融雪水は重要な水資源である一方,近年の気候変動の影響により気温上昇や降雨特性の変化が進み,融雪期に融雪流出と降雨流出が同時に生じやすくなっている。このような状況下では,融雪期における洪水リスクの増大やダム流入量の不確実性が課題となっており,治水上の安全性を確保することが求められている。一方で,融雪水は貴重な水資源でもあることから,融雪流出の特性を的確に把握したダム操作により無効放流を抑制し,発電をはじめとする利水機能の向上を図ることも重要である。本研究では,メッシュ気象データのみを用いて任意の流域・任意の期間に適用可能な分布型流出計算手法を構築し,定山渓ダムおよび豊平峡ダム流域に適用することで,特に融雪期を対象とした流出再現性および将来の運用判断に資する予測精度について検証した。流出計算にはHydroSHEDSの流向・標高データを用い,降水量,気温,解析積雪深といったメッシュ気象データから雨雪判別,融雪量算定,蒸発散量評価を行ったうえで,4段タンクモデルおよび河道追跡を組み合わせて流出量を算出した。さらに,本手法により推定された流出量の時間変化が,融雪期に特有なダム流入特性やピーク流量の再現にどの程度寄与するかについても確認した。融雪期における積雪水量の評価については,解析積雪深を直接用いる方法と,解析雨量を用いて流域の水収支から補正係数を導入する方法の2手法を比較した。その結果,降雪水量や降雨量を補正しない場合には融雪期後半において流出量を過小評価する傾向が確認されたが,過年度の水収支から算出した補正係数を用いて解析雨量を補正することで,再現計算および24時間平均流出高の予測精度が大きく改善された。以上より,本手法は融雪期洪水への対応と無効放流の低減を通じた発電量の増強を両立するダム運用支援手法として有用であることが示された。