講演情報

[PS-01-64]降雨流出時の細菌叢動態調査用渓流水試料の常温放置時間の影響に関する予察的検討

*細田 育広1 (1. 森林総合研究所関西支所)
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キーワード:

斜面水文、降雨流出過程、原核生物叢、品質管理、竜ノ口山

降雨流出過程を探る目的で渓流水の細菌叢を調べる場合、アクセスの悪さや作業安全性を考慮して自動採水器の利用が選択肢となるが、すぐに回収できないことも考えられる。そこで採水後、回収するまでの時間経過が細菌叢組成に与える影響を予察的に調べた。竜ノ口山森林理水試験地南谷の量水堰堤直上で2025年7月末の基底時渓流水を5試料採取し、直後から7日目までの間に順次22μm滅菌フィルターでろ過し、フィルターから検出される16S rRNA V4領域を対象に分類学上の情報を付与したAmplicon Sequence Variant(ASV)テーブルを作成し検証試料とした。試料保管中の断熱性容器内温度は30℃前後であった。ASVリード数は時間の経過とともに減少と増加を繰り返した一方、種数は24時間経過後大きく減少して以降は緩やかな減少傾向となった。検証試料を2022-2024年の水試料ASVテーブル(比較試料)にマージし、希薄化して相関ネットワーク解析すると、検証試料の細菌叢はほぼ比較試料から検出された細菌叢の範囲にあり、検証試料間の細菌叢組成の類似性は概ね保たれていた。Non-metric multidimensional scaling(NMDS)により類似性を比較すると、検証試料の分散は比較的大きかったが、検証試料はまとまったクラスターを形成し、比較試料とともに環境変数の傾度の中に配置された。これらのことから、本稿最長期間程度の高温に晒された試料でもリード数に拘らない解析であれば利用価値が全く失われてしまうわけでもないと考えられた。