講演情報
[PS-02-06]堤防を考慮した全球河川氾濫モデルによるデータ不足地域の洪水リスク推計の評価
*西井 大晟1、平林 由希子2、山崎 大3、Zhao Gang4 (1. 芝浦工業大学 理工学研究科、2. 芝浦工業大学 工学部土木工学課程、3. 東京大学生産技術研究所、4. 東京科学大学)
キーワード:
全球河川氾濫モデル、堤防、期待年間被害額、ナイル川流域、河川氾濫
近年,気候変動に伴う極端降雨の増加により,河川洪水リスクの増大が懸念されている.特にアフリカ地域では,急速な人口増加や経済発展に伴い,洪水曝露量の増加が進行しており,洪水リスク評価の高度化が求められている.一方で,発展途上国を中心としたデータ不足地域では,堤防位置や堤防高などの情報整備が不十分であるため,広域洪水リスク評価において堤防効果を明示的に考慮することが困難であった.近年,Zhaoらは,全球河川氾濫モデルCaMa-Floodに「堤外地面積率」および「堤防高」の2つのパラメータを導入した堤防モジュールを開発し,全球規模での適用を実現している.しかしながら,同手法はデータ不足地域における検証事例が限られており,その適用性については十分に明らかになっていない.
本研究では,ナイル川流域を対象として,堤防を考慮したCaMa-Floodによる洪水リスク推計の妥当性を評価した.1979~2019年を対象に河川水位および浸水深を算定し,DAHITI衛星高度計データを用いてモデル精度を検証した.その結果,堤防を考慮することで114地点中20地点において年最大水位偏差の平均絶対誤差(MAE)が0.1 m以上改善した.一方で,主要ダム下流域では,堤防導入に伴う水位上昇によりピーク水位の過大評価が増幅される傾向が確認された.また,期待年間被害額(EAD)は流域全体で1.4%減少したものの,堤外地や河川近傍に資産が集中する地域では,被害額が増加するケースも確認された.今後は,ダム操作を考慮した流量再現や,堤外地における氾濫過程の高度化を行うことで,より高精度な洪水リスク評価を目指す.
本研究では,ナイル川流域を対象として,堤防を考慮したCaMa-Floodによる洪水リスク推計の妥当性を評価した.1979~2019年を対象に河川水位および浸水深を算定し,DAHITI衛星高度計データを用いてモデル精度を検証した.その結果,堤防を考慮することで114地点中20地点において年最大水位偏差の平均絶対誤差(MAE)が0.1 m以上改善した.一方で,主要ダム下流域では,堤防導入に伴う水位上昇によりピーク水位の過大評価が増幅される傾向が確認された.また,期待年間被害額(EAD)は流域全体で1.4%減少したものの,堤外地や河川近傍に資産が集中する地域では,被害額が増加するケースも確認された.今後は,ダム操作を考慮した流量再現や,堤外地における氾濫過程の高度化を行うことで,より高精度な洪水リスク評価を目指す.
