講演情報
[PS-02-09]富山市内の中小河川を対象とした水田貯留の軽減効果に関する基礎的研究
*萱沼 友祐1、馬渕 慎也2、吉見 和紘1 (1. 富山県立大学 工学部、2. 富山県立大学大学院 工学研究科)
キーワード:
内水氾濫、水田貯留、流域治水
近年,大雨の頻発化により,全国各地で内水氾濫による浸水被害が生じている.富山県においても,富山市街地で毎年のように浸水被害が発生しており,今後も同様の被害が発生する可能性は高い.頻発する水災害を踏まえて,国は流域治水に方針を転換し,流域全体で協働して対策を行うことが重要である.そのため,浸水被害の軽減に向けて土地利用情報を考慮した内水氾濫対策を行う必要がある.本研究では,富山市街地を対象に数値解析を用いて仮想的な内水氾濫対策を施し,その地域に対する水田貯留の軽減効果を定量的に示すことを目的とした.解析ソフトウェアは日立パワーソリューションズが開発した「DioVISTA/Flood」を用いた.降雨事例は2022年8月13日,2022年8月20日,2023年7月12日の3事例を対象に内水氾濫解析を行った.内水氾濫対策を施していない状態を対策なしと定義し,各事例を対象に対策なしの場合と水田貯留を施した場合を比較して浸水面積の軽減率を算出した.2022年8月13日の降雨を対象とした対策なしの場合をcase1-a,水田貯留を施した場合をcase1-b,2022年8月20日を対象にした場合をcase2-a,case2-b,2023年7月12日を対象にした場合をcase3-a,case3-bとした.水田貯留は今回解析を行った3事例においては対策なしの場合と比べて浸水面積軽減に効果を示した.一方で,case2,case3では水田貯留による一定の浸水面積軽減効果が確認されたが,case1では他2つの事例より水田貯留による浸水面積軽減効果が低かった.これは降雨の特徴によって軽減効果が大きく左右されることから,水田貯留による浸水面積軽減効果は降雨特性により異なると考えられる.
