講演情報
[PS-02-10]三次元防災教育コンテンツに対する印象評価の統計的分析
*児玉 睦希1、小野 桂介2 (1. 東北工業大学大学院、2. 東北工業大学)
キーワード:
防災教育、洪水氾濫、ハザードマップ、三次元デジタル空間、アンケート調査
近年,気候変動に伴う豪雨災害の頻発・激甚化により,地域の水害リスクを理解し,主体的な避難行動につなげる防災教育の重要性が高まっている.本研究では,小中学校で実施した防災教育授業後のアンケート結果を用い,紙媒体ハザードマップと三次元防災教育コンテンツに対する学習者の印象評価を分析した.授業では,紙媒体ハザードマップにより自宅や学校周辺の想定浸水深を確認した後,三次元デジタル空間上に再現された同一地域を操作し,浸水深の分布や広がりを立体的に確認させた.分析では,両手法に対する印象度を0~100の数値で回答させ,対応のあるt検定の適用可能性を検討した.その結果,印象度差に正規性が認められなかったため,Wilcoxonの符号付順位検定を用いた.その結果,両手法の印象度には有意な差が認められ,三次元防災教育コンテンツの方が高い印象評価を得る傾向が確認された.また,学校種・地域別に選択理由の選択率差を整理した結果,三次元防災教育コンテンツは,学習の楽しさや地域の建物・地形のわかりやすさにおいて評価されやすい傾向がみられた.一方,見たい場所の探しやすさや使い方のわかりやすさでは,紙媒体ハザードマップが評価される場合も確認された.以上より,水害リスクを学習者に伝える際には,三次元表現による関心喚起や空間的理解と,紙媒体による位置確認や全体把握を組み合わせることが有効であると考えられる.
