講演情報
[PS-02-13]東京都管理河川における治水計画と調節池の整備経緯
*石原 成幸1、天口 英雄1、高崎 忠勝1 (1. 東京都立大学 都市環境科学研究科)
キーワード:
都市河川、河川管理、治水計画、調節池、東京都
東京都の管理する中小河川(国土交通省による直轄管理以外の一・二級河川)は,高度に都市機能の集積した市街地を貫流しており,水害が発生した際の被害は甚大を極めることから,市街化が急速に進行した1970年代以降,河道整備に加えて緊急・暫定的な調節池整備が図られてきた.その後,これらの調節池は上位の治水計画(河川整備計画)に包含される形で,正式に位置づけられた経緯があるが,これらの背景を認識している関係者が少なくなっている.このため,本論では治水計画上における調節池の位置づけと整備経緯の関係を明らかにすることを目的とする.なお,治水計画は1985年時点を基本とし,後年度の変更計画等を考慮のうえ考察を試みた. 考察の結果,調節池の設置位置は各河川の下流(都県境)部と中・上流部に大別され,調節池の設置経緯や目的から細分類できた.ただし,施設の拡充等に伴い複数の分類に該当する場合もあるため留意を要する.以上のことから,現状で一見不合理とも見受けられる調節池の配置状況は,高密度な市街地における用地確保の困難さや既存施設の有効活用の結果であった.これらは理論面と別次元の極めて対応困難な実社会での課題解決を優先した経緯を有し,新制度導入の契機となるなどの治水対策を推進する際の苦心の跡として,その経緯と位置づけ等を明らかにできた.
