講演情報

[PS-02-23]d4PDFと2変量一般化パレート分布を用いた基準地点を中心とした高水流量算定手法の上流における適用性の検証

*内村 在誠1、田中 智大2、佐山 敬洋2 (1. 京都大学大学院 工学研究科 社会基盤工学専攻、2. 京都大学 防災研究所)
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キーワード:

河川計画、計画高水流量、多変量一般化パレート分布、d4PDF

我が国の治水計画では,洪水防御前の自然流量である「基本高水」と,それを河道や調節施設へ配分した「計画高水流量」が策定される.これらは,各水系で設定された基準地点において,既往降雨を計画規模まで引き伸ばした対象降雨群に基づく流出計算により算定される.この算定に用いる基準地点の数は水系の規模により異なり,小規模水系では1地点,大規模水系では複数の地点が設定される.これは,広大な流域における降雨パターンの多様性を網羅するためである.しかし,基準地点の数や配置のあり方は実務的な経験則に依拠しており,その妥当性に関する体系的な学術的知見はいまだ十分に蓄積されていない.

そこで本研究では,d4PDFに2変量一般化パレート分布(bGPD)をフィッティングし,下流の基準地点での洪水発生時における上流地点の条件付流量分布を推定した.この分布を「基準地点で計画規模レベルの流量が発生する降雨分布による上流地点の流出計算結果のばらつき」と見なし,各地点で独立に求めた流量分布と比較することで,基準地点での洪水イベントを用いた手法における上流地点の治水安全度を定量的に評価した.

その結果,基準地点との流量における極値従属性が低い上流地点では洪水流量が過小評価されることが分かった.このように下流地点との極値従属性が低い支川においては,その支川内に個別の基準地点を追加で設けることで,その基準地点より上流の地域にとって危険な流量をもたらす洪水イベントを推定に取り入れることが可能になり,治水安全度を確保できるようになると考えられる.