講演情報

[PS-02-26]メコン川流域におけるダム運用がメコンデルタへの土砂輸送量に及ぼす影響

*江尻 幸太1、都築 航太1、手計 太一2 (1. 中央大学 理工学研究科、2. 中央大学大学理工学術院)
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キーワード:

浮遊砂濃度、土砂輸送量、修正Mann-Kendall検定、メコンデルタ、メコン川

本研究は,メコン川流域におけるダム運用がメコンデルタへの土砂輸送量に与える影響を明らかにすることを目的とした.対象地点としてデルタ上流端に位置するKratie観測所を選定し,日流量および浮遊砂濃度データを用いて土砂輸送量を算出した.解析には自己相関の影響を考慮した修正Mann-Kendall検定を用い,1996~2008年,2009~2018年,2019~2023年の3期間に区分して経年変化を評価した.その結果,土砂輸送量は主に雨季において有意な減少傾向を示し,特に8月,9月,11月に顕著であった.また,年降水量には有意な変化傾向が認められなかったことから,近年の土砂輸送量の減少は降雨変動による影響ではなく,上流域におけるダム運用に伴う土砂捕捉が主因である可能性が示唆された.さらに,年間土砂輸送量の平均値は1996~2008年の61.19 Mt/yearから2019~2023年には28.09 Mt/yearへと約54%減少していた.以上の結果より,ダム運用は洪水ピークの低減や流量の平滑化に寄与する一方で,下流域への土砂供給を大きく減少させ,メコンデルタにおける海岸侵食の進行を促進する要因となる可能性があることが明らかとなった.今後のダム開発の進展に伴い,土砂輸送量のさらなる減少が懸念される.