講演情報
[PS-02-27]再解析短波放射データの地形補正の改良と精度評価
*新川 遥也1、田中 賢治2、峠 嘉哉3、Khujanazarov Temur2、萬 和明2 (1. 京都大学大学院工学研究科地域水環境システム研究領域、2. 京都大学防災研究所、3. 千葉大学リモートセンシング研究センター)
キーワード:
SiBUC、雪氷融解量、再解析データ
題目:キルギス・Bordu氷河における短波放射量の地形補正が雪氷融解推定に与える影響
【はじめに】 半乾燥地域に位置する中央アジア・キルギス共和国において、氷河は重要な水資源である。将来の水資源変動予測には融解量の正確な把握が不可欠であるが、先行研究では、再解析データJRA-55を用いた陸面過程モデルSiBUCによる推定値が実測より過大となる課題があった。この主因は、粗解像度な再解析データが山岳域の複雑な地形効果を反映できていない点にある。本研究では、最新のJRA-3Qを用い、詳細な地形データに基づく短波放射量の補正手法の構築と、それが積雪水量の推定精度に与える影響を評価した。
【手法】 日射を直達・散乱成分に分離し、1km解像度の地形データを用いて地形の影、天空率、斜面方位・傾斜、周辺反射を考慮する補正モデルを構築した。
主要な3つの計算要素(①周辺地形反射、②斜面入射係数Fb2の補正、③障害物判定位置の適正化)のON/OFFによる計8通りの感度実験を行い、観測値(2023年)との比較からRMSEおよびBIASを算出した。さらに、補正の有無が積雪水量(SWE)の計算値に与える影響をSiBUCにより解析した。
【結果と考察】 感度実験の結果、要素②(斜面投影補正と上限設定)が精度向上に最も寄与し、BIASを+13.52 W/m²から-1.23 W/m²へと劇的に改善させた。一方で、地形補正後のRMSEは未補正時より約10 W/m²増加した。これは、再解析データと局所観測の空間スケールのミスマッチに起因し、快晴時にモデル値が極端に低下する現象が確認された。 SWEの計算結果では、地形補正によりBIASを低減したデータよりも、未補正データを用いた方が観測に基づく変化に近い結果となった。これは、日射量の積算値(BIAS)が改善されても、融雪期のRMSEの増大、特にピーク時の過小評価が融雪プロセスの再現性を損なう可能性を示唆している。今後は、気象条件に応じた天空率補正の動的な調整など、さらなる精度向上を図る。
【はじめに】 半乾燥地域に位置する中央アジア・キルギス共和国において、氷河は重要な水資源である。将来の水資源変動予測には融解量の正確な把握が不可欠であるが、先行研究では、再解析データJRA-55を用いた陸面過程モデルSiBUCによる推定値が実測より過大となる課題があった。この主因は、粗解像度な再解析データが山岳域の複雑な地形効果を反映できていない点にある。本研究では、最新のJRA-3Qを用い、詳細な地形データに基づく短波放射量の補正手法の構築と、それが積雪水量の推定精度に与える影響を評価した。
【手法】 日射を直達・散乱成分に分離し、1km解像度の地形データを用いて地形の影、天空率、斜面方位・傾斜、周辺反射を考慮する補正モデルを構築した。
主要な3つの計算要素(①周辺地形反射、②斜面入射係数Fb2の補正、③障害物判定位置の適正化)のON/OFFによる計8通りの感度実験を行い、観測値(2023年)との比較からRMSEおよびBIASを算出した。さらに、補正の有無が積雪水量(SWE)の計算値に与える影響をSiBUCにより解析した。
【結果と考察】 感度実験の結果、要素②(斜面投影補正と上限設定)が精度向上に最も寄与し、BIASを+13.52 W/m²から-1.23 W/m²へと劇的に改善させた。一方で、地形補正後のRMSEは未補正時より約10 W/m²増加した。これは、再解析データと局所観測の空間スケールのミスマッチに起因し、快晴時にモデル値が極端に低下する現象が確認された。 SWEの計算結果では、地形補正によりBIASを低減したデータよりも、未補正データを用いた方が観測に基づく変化に近い結果となった。これは、日射量の積算値(BIAS)が改善されても、融雪期のRMSEの増大、特にピーク時の過小評価が融雪プロセスの再現性を損なう可能性を示唆している。今後は、気象条件に応じた天空率補正の動的な調整など、さらなる精度向上を図る。
