講演情報

[PS-02-44]機械学習を用いた取水制限に影響を与える水文量の分析

*近藤 大紀1、ティヌンバン アウリア1、立川 康人1 (1. 京都大学 工学研究科社会基盤工学専攻)
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キーワード:

社会的渇水、ランダムフォレスト、取水制限、渇水発生予測モデル、特徴量重要度

近年、気候変動による降水パターンの極端化に伴い、深刻な渇水リスクが増加している。しかし、従来の統計的気象指標では、ダム運用などの社会的要因が複雑に絡む社会的渇水(取水制限の発生)を予測することは困難である。そこで本研究では、高度に水資源開発が進む豊川流域を対象とし、変数間の非線形な相互作用を扱えるランダムフォレストを用いて社会的渇水を予測する判別モデルを構築し、渇水発生を支配する主要因と時間スケールを定量的に解明することを目的とした。
手法として、過去の水文量と取水制限データを無作為に分割(学習データ80%、テストデータ20%)し、100回の反復試行によりモデルの頑健性を担保した。また、渇水事例が少ない不均衡データへの対策として、OOBサンプルを用いたグリッドサーチにより再現率を最大化する重み係数を決定した。変数選定においては、特徴量重要度の低い変数を除外し、降水量や河川流量、ダム流入量など7種類の水文量を抽出した。その上で、各変数の積算期間を独立に変化させた全ての組み合わせに対し、「水文量のみ(Case1)」「水文量+月(Case2)」「水文量+年・月(Case3)」の3条件で最適化を実施した。分析の結果、水文量の中では降水量や河川流量の重要度が特に高いことが確認された。全試行の中で最も予測精度が高かったのは年と月データを追加したCase3であり、Case1と比較してAccuracyが2.2%、Recallが約7%向上し、最終的に90%を超える高い予測精度を達成した。最高精度モデルの特徴量重要度分析により、社会的渇水のメカニズムには、水文量の比較的長期的な積算が有効であることに加え、ダム等の施設整備や水需要の変化を反映する「時代変化」が極めて大きな要因として寄与していることが明らかとなった。