講演情報
[PS-02-49]サロゲートモデルを用いたRRIモデルの大域的感度分析
*谷口 雅明1、工藤 亮治1、近森 秀高1 (1. 岡山大学 環境生命自然科学研究科)
キーワード:
流出モデル、RRIモデル、大域的感度分析、Sobol'法、サロゲートモデル
降雨流出氾濫モデル(Rainfall-Runoff-Inundation:RRIモデル)は流出と氾濫を一体的に解析できるモデルとして社会実装に向けた検討が進んでいる.RRIモデルの予測の頑健性向上にはパラメータ設定に起因する不確実性の評価が不可欠であり,その有効な手段の1つが感度分析であるが,既往研究では局所的な評価にとどまっている.そこで本研究では,Sobol’法を用いた大域的感度分析によりRRIモデルの出力を支配するパラメータの特定とパラメータ間の交互作用(パラメータ単独では現れず,複数パラメータの複合効果としてのみ現れる感度)の評価を目的とする.ただし,Sobol’法をRRIモデルのような分布型水文モデルに直接適用する場合,計算時間が膨大となり現実的ではない.そのため,Marrelらの手法に基づき,ガウス過程回帰によるサロゲートモデルを構築し,これをRRIモデルの代理モデルとしてSobol’法による感度分析を実施した.まず,ラテン超方格法で学習サンプルを生成してRRIモデルを実行し応答変数を算出し,サロゲートモデルを構築した.独立したサンプルによる検証では,ほぼ全条件で良好な精度を確認された.感度分析の結果,NSEおよび総流量に対しては不飽和層の間隙率と土層厚の感度が顕著に高く,両パラメータが支配的であることが示された.また,強い交互作用の存在が確認された.これはRRIモデルの流量流積関係式において,不飽和層の間隙率と土層厚が常に積として流出過程に関与するためと解釈される.ピーク流量に対しては河道モデル適用の閾値も高い感度を示した一方,交互作用は限定的であった.また,斜面の粗度係数は表面流の発生が時空間的に限定的であったため,感度は小さかった.以上より,RRIモデルの頑健な構築には不飽和層の間隙率と土層厚を積としてパラメータ化すること,およびピーク予測を重視する場合は河道モデル適用の閾値を慎重に設定することが重要であることが示された.
