講演情報
[PS-02-52]筑後川流域における高出水を誘発する降水特性の分析と将来予測
*瀬戸口 裕也1、丸谷 靖幸1、渡部 哲史2 (1. 九州大学大学院、2. 九州大学比較社会文化研究院)
キーワード:
分布型流出モデル、降水、d4PDF、ダムモデル、筑後川
本研究では,筑後川流域を対象として,d4PDFの現在気候および将来気候データを用い,高出水を誘発する降水特性の分析と将来予測を行った。解析には,現在気候HPB,2℃上昇実験F2K,4℃上昇実験F4Kの降水量を用い,観測降水量に基づくバイアス補正を行ったうえで,流域平均降水量を算出した。また,分布型降雨流出モデル1K-DHMに地下水機構,蒸発散量および下筌ダム・松原ダムの操作を考慮した流出モデルを用いて河川流量を推定した。解析の結果,将来気候では現在気候と比較して降水継続時間が短くなる一方で,降水継続期間中の最大降水量が増加する傾向が確認された。さらに,月最大流量と各時間降水量の関係を分析した結果,72時間降水量との相関が最も高く,高出水の発生には出水直前の短時間降水だけでなく,事前の累積降水量が強く影響することが示された。加えて,72時間降水量を用いた近似式により月最大流量の傾向を一定程度再現できることが確認されたが,高流量域ではやや過大評価する傾向がみられた。以上より,筑後川流域における高出水の発生には72時間程度の累積降水量が重要であり,将来気候下では短時間降水量および累積降水量の増加により,高出水の発生頻度や規模が増大する可能性が示唆された。
