講演情報
[PS-02-54]拠点スケールの水資源リスク評価を見据えた全国3次元地表地下連成水循環モデルの開発
*深沢 壮騎1、多田 和広1 (1. 株式会社地圏環境テクノロジー 開発部)
キーワード:
GETFLOWS、地上地下連成、水資源リスク、森林蒸発散
近年、ISSB/SSBJ等のサステナビリティ開示基準への対応に伴い、企業拠点レベルでの水資源リスク評価の重要性が高まっている。既存の全球水リスク評価ツールは一次スクリーニングには有用である一方、拠点周辺の地表水・地下水の実態や地域特性を十分に反映できず、実務的なリスク評価へ接続しにくい課題がある。本研究では、拠点スケールの水資源リスク評価基盤の構築を目的として、日本全国を対象とした3次元地表地下連成水循環モデルを構築・較正した。モデルにはGETFLOWSを用い、時間解像度1日、空間解像度0.25分で解析を行った。特に水資源評価において重要な森林域に着目し、樹冠遮断、蒸散、林床面蒸発を考慮した森林蒸発散モデルを導入するとともに、Feddesモデルにより土壌水分に応じた蒸散効率を評価した。較正では、河川流量およびダム流入量を対象に、気象・地質パラメータをOptunaにより同時最適化し、non-parametric KGEに基づく目的関数で再現性を評価した。全国295地点の観測データを分類し、そのうち101地点をトレーニング、26地点をテストデータとして用いた結果、多くの地点で良好な流量時系列の再現性が確認された。一方、低水期の水枯れやオーダーレベルの系統的な差異が生じる地点では、観測精度、局所地質、人為的水利用、気象外力等を含めた総合的検討が必要である。今後は本モデルを用いた水資源リスク評価の高度化と全球展開を目指す。
