講演情報
[PS-02-57]釧路湿原における水路網が洪水時の水動態に及ぼす影響
*伊藤 毅彦1、ポジラパチャイ ワルス1、山田 朋人1 (1. 北海道大学)
キーワード:
釧路湿原、水路網、洪水伝播、水動態
釧路湿原は約200km2の面積を有する北海道東部に位置する日本最大の湿原であり,国内初のラムサール条約登録湿地である.湿原内では,国の特別天然記念物であるタンチョウをはじめとした多種多様な生態系が形成されているとともに,洪水時には貯留機能を発揮する.また,農地開発や治水事業による河道の直線化及び排水路の整備が実施され,これらに伴う植生の変化や湿原面積の減少が生じており,湿原全体を対象とした自然再生事業が進められている.本研究では釧路湿原における水路網が洪水時の水動態に及ぼす影響に関する基礎的検討を実施した.釧路川流域の支川の一つである雪裡川の流域全体を計算対象領域として,降雨流出氾濫(Rainfall-Runoff-Inundation, RRI)モデルを使用し,湿原内の水動態を解析した.その結果,水路網を詳細に反映するほど,河川や水路における水位の上昇や氾濫発生のタイミングは早く,河道からの氾濫水量が大きいことが分かった.今後はUAV測量などで湿原内の水路網の空間分布を推定するとともに,現地観測と数値解析の双方のアプローチに基づき,より詳細な水・土砂動態に関する検討を進めていく予定である
