大会概要
私たちが持つ「感性」という能力には、単に見た目の印象や表面的な特徴を認識するだけでなく、感情や心の中に潜む微妙なニュアンスを捉える力も含まれます。日常生活において、微妙な違いを認識するために個々人の感性が発揮される場面は多岐にわたります。例えば、芸術の鑑賞や音楽の演奏、料理の味わい、人間関係における微妙な感情の変化などが挙げられます。「違いのわかる感性」という言葉は、物事や状況、あるいは人々の間に存在する微細な違いを感じ取り、理解し、価値を見出す能力を指すものです。
「違いのわかる感性」が特に重要なのは、単に物事を表面的に捉えるのではなく、深層にある違いや意味を理解し、その違いがもたらす価値を見出すことにあります。微妙な違いを感じ取る力を持つことによって、私たちは世界をより豊かに、そして多面的に捉えることができるのです。また、「違いのわかる感性」は、単に個人の趣味や感覚に留まらず、他者とのコミュニケーションにも大いに役立ちます。
「違いのわかる感性」を育むためには、感覚を研ぎ澄ませ、物事に対して意識的に深く考えることが大切です。それは、多忙な現代人にとって容易なことではありません。感性工学は、「違いのわかる感性」を育むために非常に役立つのではないでしょうか。感性工学は、人間の感性を科学的に理解し、その知見に基づいて製品やサービスをデザインしようとする学問です。私たちは感性工学を学ぶことで、感覚や感情に対する深い理解が得られ、日常生活における微細な違いをより豊かに感じ取る能力を高めることができるのではないでしょうか。第27回大会が、参加者同士で「違いのわかる感性」について語り合い、互いに感性を刺激し合う場になれば幸甚です。
大会実行委員長 庄司裕子