講演情報
[108]ロボット手術におけるデジタル映像管理システムを活用し手術時体内遺残を防止した経験
湶 孝介, 小久保 安朗 (福井大学病院 手術部)
手術支援ロボット「da Vinci Xi」が2024年9月に導入され,術中の症例自動録画およびリモートでの症例見学を可能にするデジタル映像管理システム「Intuitive Hub」が同時に導入された.本システムは,「da Vinci Xi」と連動し,録画の撮り忘れを防止し,術中にビデオをダウンロードすることなく,即時に編集および共有が可能となる.録画された映像は,院内の全ての医療情報端末(PC)からブラウザ経由で簡単に閲覧できる.セキュリティ対策として,院内のみで運用されるクローズドネットワークを採用し,ユーザIDおよびパスワード認証によるログインが必須となっている.さらに,閲覧端末にはすべてアンチウイルスソフトが導入されており,情報セキュリティの強化が図られている.手術操作時に腹腔内で針を見失う症例を経験したが,本システムの録画リプレイ機能の機能を活用することで,手術中の針の紛失を防ぐことができた.今回,当該症例の詳細を提示し,「Intuitive Hub」の臨床的有用性について考察したので報告する.