講演情報

[110]適切なモニタアラーム管理のためのMACT 始動に向けて

天野 有二1,2, 田中 恵子2,3, 谷 真澄2,3 (1.社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院 医療技術部臨床工学課, 2.社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院 医療安全管理室, 3.社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院 看護部)
【はじめに】当院では現在,生体情報モニタの更新を順次実施している.これまでのモニタにおいては医療安全上波形の保存が必要な場合などには,用紙に長時間波形データの一部を印刷して保存する必要があった.今回の更新では手術室や集中治療室を中心にサーバでのデータ管理が可能な機器を導入し,データでの波形管理が可能となった.しかしアラームへの対応・対策は不十分であり,MACT(Monitor Alarm ControlTeam)として,医療安全管理視点で現状把握のためのラウンドを開始したので報告する.【背景】更新以前より,病棟でのアラーム対応や管理が適切でないという問題があった.更新によりメーカによるアラーム履歴の抽出が可能となり,モニタ使用頻度の高い病棟で2024年7月にデータ抽出を実施した.その結果,アラームの約半数がテクニカルアラームであった.【方法】2024年9月より病棟ラウンドを実施した.病棟毎の管理方法や特徴を把握するためにモニタ装着患者数,電極の管理方法などの確認項目が記載された用紙を使用し,現場のスタッフにも聞き取りをしながらラウンドした.【結果】全ての病棟において電極が密閉されずに保管されていた.アラームの個別設定などの指示も医師により様々であり,指示簿がない場合には初期設定で使用していた.また,検査などで離棟する場合には電波切れのアラームが発生するため,一時退床機能を使用している病棟もあるが,使用していない病棟では使用することを推奨した.【考察・結論】動脈血酸素飽和度を連続で測定している場合の装着不良などによりアラームが頻回に発生する場合も多く,スポットで測定するなどの明確な基準はないため,各医師に委ねられているのが現状であり,基準の作成が必要であると考える.また,電池交換などの場合もアラームが発生するため,一時的に機器側でアラームをオフにする機能を使用するなど適切な取り扱い方法の教育が必要であると考える.