講演情報

[122]A 病院の病棟におけるRMD 一次洗浄評価と課題

堀 さとみ, 兵頭 美香子 (社会福祉法人京都社会事業財団 西陣病院)
【はじめに】A病院では,中央滅菌材料室の運用変更から手術室以外の再使用可能医療機器(以下RMD)に関しては外部委託となっている.委託業者に回収されたRMDはウォッシャーディスインフェクター(以下WD)で洗浄後に滅菌されているが,使用直後のRMDは各現場で一次洗浄をおこなっている.日本医療機器学会の『医療現場における滅菌保証のガイドライン2021』(以下ガイドライン)では,洗浄方法について用手洗浄,器械洗浄が明記されているが,施行者の感染対策の観点からも器械洗浄できる物は器械洗浄が望ましいとされている.A病院においても,用手ではなく器械洗浄をおこなっているが,病棟では各部署に設置されているベッドパンウォッシャーを用いて洗浄をおこなっている.そこで今回,RMDをベッドパンウォッシャーで洗浄した場合の残留蛋白を測定し,現場での洗浄方法について課題を明確にしたので報告する.【方法】A病院7病棟において各部署のベッドパンウォッシャーでテストデバイスを用いて洗浄をおこないクーマシー法で残留蛋白質量の測定をおこなった.【結果】7病棟すべてのテストデバイスにおいて洗浄評価基準である200μg以下を満たしていなかった.【考察】外部委託業者でWD洗浄後に滅菌されているが,使用直後の洗浄が不十分な場合,RMDに汚染物が固着していることが考えられ,WDでも取り切れない可能性がある.ベッドパンウォッシャーは本来便器や尿器を洗浄する医療機器でありRMDの洗浄には適していない.今後,病棟でのRMD使用直後の洗浄方法を見直す必要がある.【課題】病棟で使用したRMDの洗浄を現状のベッドパンウォッシャーからWDでの洗浄方法に変更するため,ICTを通じて院内での検討が必要である.