講演情報
[123]手術用鋼製器具2 次元シンボルのブランド別DPM 方法の実態調査
酒井 順哉1, 植村 康一2, 小笠原 通雄3, 久保田 英雄4, 黒澤 康雄5, 塩澤 康彦6, 中野渡 寛之7, 藤井 清孝8, 美代 賢吾9, 村田 昭夫10 (1.名城大学 名誉教授, 2.一般財団法人流通システム開発センター, 3.ミズホ㈱, 4.東京科学大学病院 材料部, 5.東京医療保健大学医療保健学部, 6.一般社団法人日本医療機器販売業協会, 7.㈲東奥電気, 8.北里大学医療衛生学部医療工学科, 9.国立国際医療研究センター, 10.㈱エムエス)
【目的】米国では2022年9月24日までに医療機器本体にバーコードの直接表示(UDI)を実施することが義務付けられた.一方,欧州連合EUでも遅くとも2027年5月27日までに同UDIの実施が義務化される予定である.(一社)日本医療機器学会・医療機器UDI標準化委員会は,2023年4月に我が国の病院に手術用鋼製器具を出荷している製造販売業者(20社)を対象に,日本ブランド,米国ブランド,欧州ブランド別に手術用鋼製器具本体の2次元シンボル直接表示(DPM:Direct PartMaking)の実態を調査した結果,32ブランド,14,484品目について回答があり,鋼製器具本体にGS1 DataMatrix表示のブランドは,実施予定を含めると国内ブランドで3割,米国ブランドで7割,欧州ブランドで9割であった.2次元シンボルのマーキング方法は,ドットピンマーキングが3ブランド,白色マーキングが3ブランド,黒色マーキングが16ブランドであった.情報項目はGTIN+シリアル番号が2ブランド,GTIN+ロット番号が11ブランド,GTINのみが2ブランドであった.本研究では,近年錆に強いとされるUVレーザマーキングが開発されたこともあり,各ブランドでどのようなDPM方式が採用されているのかを調査するとともに,シリアル番号を採用していないブランドに対しどのような理由か明らかにすることを目的とした.【方法】2023年4月の国内外の手術用鋼製器具に関する先行調査に回答のあった製造販売業者20社に対して,日本ブランド,米国ブランド,欧州ブランド別にDPM方法とその理由についてアンケート調査をおこなった.DPM方法は,ドットピン,白色,黒色の分類のみでなく,YAGレーザ,UVレーザなど具体的な方法についても調査した.また,出荷を前提に塩水噴霧試験や擦過試験などの耐久性テストの実施有無について回答を求めた.さらに,トレーサビリティに必要なGTIN+シリアル番号でなく,GTIN+ロット番号にしている現状についても調査した.